ハルキ文庫<br> 聖母の部隊

ハルキ文庫
聖母の部隊

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  • サイズ 文庫判/ページ数 282p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784894567719
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

お母さんがぼくたちに教えてくれたのは戦いだった…。『後宮小説』『墨攻』でファンタジーに新境地を拓いた著者が、SFマインドを存分に発揮した短篇集、待望の文庫化で登場!幼い頃から戦闘のプロとして育てられた「ぼく」の戦いと“お母さん”の謎を描く表題作ほか、センス・オブ・ワンダーが溢れた全四篇を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gelatin

12
★★★★ 酒見賢一は『後宮小説』と『墨攻』の印象がとても良く、私の中では無闇に高評価の作家だったので、あ、こんなのも書いてるのかと思って手に取ったのでした。後書きによればすべての小説はSFなんだそうで、確かにこういうのを書かれたらそうだなと思う。その手法によって何を書くかでね。表紙も文体もジャンクな趣だが、内容は重く切ない。絶望から先に何を見るか。たとえ明日が来ないとしても。収録作全て良かった。2015/09/13

Koki Miyachi

9
さすが酒見賢一というべきか。後宮小説では中国史の新解釈の冴え、王道の力量を見せつけられたが、今回は自由自在に飛翔する創造力に圧倒された。ユーモア溢れるバイオレンスノベル的な「地下街」、少女の独白で終末的世界観を描いた「ハルマゲドン・サマー」。表題作「聖母の部隊」は、極限の戦闘地帯におかれた一人の女「お母さん」と十五人の子供の物語。大人と子供、女と男の子達という興味深い人間関係が極限状況で描かれる。疾走感がある筆致で一気に最後まで楽しめた。オトコなら一度は空想しそうな魅力的な女性像がここにある。2013/12/29

サト

5
好みに合ったのか外れなしの短編集。表題作は、家族を殺された「ぼくたち」が、「お母さん」と名乗る女性に鍛えられ、機械文明への復讐という虐殺を行う本作で唯一の中編。人種の異なる彼女が何故、少年たちを戦士として育て上げていくのか、その謎の牽引力と緊張感の絶えない生き死にの日々の連続に呑み込まれる。どの短編も、すっと溶けていくような結末が良い余韻を残す。その他の短編も甲乙つけ難い。「ハルマゲドン・サマー」のような終末感には涙腺が刺激された。全体的にSF色が強く、隠れた名作といっても過言ではない。あとがきも面白い2013/02/02

ゆうげん

5
中国史のイメージが強い酒見さんのSF中短編集。表題作はハードで切ないSF。「地下街」はハードボイルドかと思ったらファンタジーかRPGっぽい展開になって笑った。こういうヘンな話はもっと読みたい。2010/07/13

ろびん

3
表題作、えげつないな……。2019/09/27

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