内容説明
天変地異や変事を扱う陰陽寮の頭、弓削是雄は当代一の術士と衆人より目されていた。彼は陰陽師の紀温史、蝦夷の淡麻呂、陸奥で山賊の女頭目であった芙蓉…と多士済済の者たちを配下に従え、忙しい日々を送っていた。そんなある日、羅城門に人の倍以上も背丈がある鬼“長人鬼”が現れた。一方、是雄は関白からの急な呼び出しがあり、「淡路行き」の命を受けるが…。是雄たちが怪異の謎に挑む、妖かしの新物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はらぺこ
68
平安時代。元慶八(八八四)年。陰陽師・弓削是雄が主人公。短編集『鬼』から続く弓削是雄シリーズ。違うレーベルから出てるから1つ前の『白妖鬼』に気づかんかったわ。是雄と髑髏鬼以外の紀温史、甲子丸、芙蓉、淡麻呂の4人は『鬼』に出てきた人物なんか『白妖鬼』から出てくる人物なんか分からんけど、まあ、特に問題無かった。ちょっと読み難く感じたところもあったけど他のも読もうと思います。2013/07/24
kagetrasama-aoi(葵・橘)
38
「鬼シリーズ」第三巻。前作に続いて弓削是雄が主人公。紀温史、葦屋道隆とまたまた魅力的な人物登場。葦屋は陰陽師物では悪役になるのがお約束!道隆も堂に入った悪役っぷりを披露してくれています。!でも、いい人感が少しだけ醸しだされていました(≧▽≦)!再登場を期待します。菅原道真も登場します。最近「応天の門」で道真に魅入られて、澤田さんの道真もの読んだり、ちょっと道真づいています。2023/07/14
TheWho
14
歴史小説やSF伝奇、ミステリー、ホラー等幅広い作風の著者が描く、歴史上実在の陰陽師で陰陽頭に任ぜられた弓削是雄を主人公にした高橋版陰陽師で「空中鬼」の続編。お馴染みの髑髏鬼や芙蓉丸、淡麻呂らに加え、陰陽師の紀温史が新たな仲間となり、淡路や羅城門、内裏で巻き起こる不可思議な怪異の真相を解き明かしていく。平安朝の陰湿な政争と世相が物語のモチーフとして面白い世界観を描ききっている。怪奇現象が中心の物語ながら、一面爽快な雰囲気もあり、著者世界観が満載な一冊です。2017/03/12
はつばあば
9
白妖鬼に続き主人公は、弓削是雄と淡麻呂、芙蓉。そして髑髏も忘れてはならない。前回郎党の甲子丸を忘れていたが、髑髏同様、得難い人物である。それにしても関白太政大臣・藤原基経はどうしょうもない。権力の権現。この本では恨まれる為に存在したようなお人だが、是雄を陰陽寮の長にしたのはまずまずの出来。そして道真登場。白妖鬼よりちょっと世間が落ち着いてきたか軽めでさっくり読了。 2014/02/27
花々
6
さくっと読める陰陽師ものでした。話がどんどん進むので、面白くて途中でやめられず、ほぼ一息に読了。淡麻呂と髑髏鬼が、笑いを誘っていいコンビ。皆さんの感想を見たら、前作もあるようなので早速読みたいと思います。2015/09/17