内容説明
海賊黄金時代の覇者キャプテン・キッド。彼が生涯をかけて残した財宝の謎は、世界中の伝説となり未だ解明されていない―。時は幕末、下北半島佐伊の浜にアイヌの血を引く次郎という名の赤ん坊が流れ着いた。アイヌの宝“カムイの剣”を身につけて。その短剣こそキャプテン・キッドの財宝の謎を解く鍵であり、財宝のありかをめぐって次郎の前には幕府隠密団の天海たちが立ちはだかる。幕末から維新を駆け抜けた次郎の波乱の半生を描く歴史SF長篇の傑作、完全版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たか
38
時代は幕末、舞台は北海道からカムチャッカ半島を経由してアメリカ大陸。公儀御庭番の頭目に拾われた主人公が忍びとして育てられ、亡き父の短刀を授けられ、父と己の出生の謎を解き、隠された財宝を探すストーリー。 壮大な冒険小説であるが、今ひとつ魅力を感じなかった。白戸三平の『カムイ伝』『カムイ外伝』とは関連なし。D評価2018/01/24
Saku
8
下北半島から北海道を経て国後、カムチャッカ半島、アメリカ大陸そして再び日本へ。忍術、アイヌや黒人奴隷やインディアン、幕末の動乱、キャプテンキッドの財宝といったワクワクするような壮大な仕掛け。久し振りに面白い冒険小説を読んだ。2014/08/07
gushwell
4
とにかく面白い、その一言に尽きます。幕末から維新の激動の時代を駆け抜けた忍者・次郎の冒険歴史小説です。エンターテイメント作品としてスケールも大きく、読み応えのある作品です。とにかく理屈抜きで面白かったです。2010/07/27
必殺!パート仕事人
2
歴史の勉強にもなりました。この年代のSFは表現が刺激的過ぎず落ち着いて読めます。2021/01/29
amorlibresco
1
子供の頃読んでめちゃくちゃ面白かった本をふと見つけてまた買ってみた。ネットというのはこういうことがたまに起こる。やっぱり大人の本というよりは子供向けの本であって、今読むと子供っぽいと思ったり、物足りない感じはあるが、しかし一気読みしたくなる面白さであることは間違いない。幕末の時代背景とかアイヌ差別の問題とか、子供の頃は理解できなかった要素にも今回は気づいた。2013/01/15