内容説明
“エスパイ”―それは、人の心を読み、物体を透視し、意志の力で物体を動かす超能力を持つ者たちの諜報集団である。ソ連首相暗殺計画の阻止を命じられたエスパイの一員・田村良夫は早速行動に移るが、彼の前に現れた敵も超能力者の集団だった!ニューヨーク、バルセロナ、イスタンブール、ウィーン、遂には宇宙へと繰り広げられる国際的陰謀の首謀者・ミスター“S”の正体とは果たして何者なのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
34
追悼再読。所有しているのは早川文庫版(表紙が映画エスパイのもの)一人称が「ぼく」のためか、今読むとジュブナイルな印象。「人類の諸悪の根源」というのは今語るのは少し気恥ずかしいものを感じるが、結局二十一世紀となった今日でも何ら解決していないのは普遍のテーマということか?ともあれ、合掌。2011/07/29
ジンベエ親分
33
小学生ぶりの再読(笑) エスパイとはエスパーとスパイを掛け合わせた造語だが、この小説について、このタイトル以外に説明は不要だろう(笑) 藤岡弘と由美かおるで映画化もされていて、これも小学生の時に映画館で見たけど、これ小学生にはあかんヤツや(笑) 徹底的にエンターテイメントとして書かれているだけあって、お色気シーンもあって小学生が読んだらあかん(笑) 東西冷戦時代の世界情勢を下敷きにしているが、今読んでも十分に面白かった。小学生当時、これを読んで母親に「イクってなに?」と聞いてしまった黒歴史を刻んだ本(笑)2021/10/16
かいちゃん
23
こういうのをジェットコースター小説っていうのかな。面白かったけどラスボスにはちょっと肩透かしだったわ。2020/04/22
とも
6
★★★★30年振りの再読。全く古さは感じない。小松ワールドは広く深い科学的知識をベースとしながらも、しっかりと小説として楽しませる方法を知っている作家であり、この作品も違わない。題名の通り超能力者を初め、世界戦争、宇宙、衛星等々 壮大な世界である。2013/01/04
8番らーめんR
5
表題はエスパー+スパイの造語。1964年作(007/危機一発日本公開年)で小説での設定は1970年半ば。ソ連首相の暗殺計画と、それを阻止しようとする超能力組織同士の戦いを描く。スパイへの拷問、と女性への扱いがアダルティでありかつ容赦なし。敵の正体と小道具、大道具(テレポートする●●)がSFっぽく後半からは一気読み。ソ連首相の演説が東ベルリンの管理を放棄しドイツに返却するという、時代の先取りしすぎで驚愕。(ベルリンの壁崩壊は1989年)それにしても恐るべしなのは今も昔も女の●●心でありますなあ。消し炭に…。2021/09/09