出版社内容情報
父のトランクをめぐる逡巡が、父と子、世界の中心とトルコの関係、そして書くとは何かという問いへと、読者を導く。
内容説明
パムク自身が語るパムク文学のエッセンス。父と息子の関係から「書くとは何か」を思索する表題作のほか、作品と作者との邂逅の妙味を語る講演「内包された作者」、体験も踏まえて“政治と文学”を語る「カルスで、そしてフランクフルトで」、および作家・佐藤亜紀との来日特別対談とノーベル賞授賞式直前インタビューを収録。
目次
1 父のトランク―ノーベル文学賞受賞講演(父が残したトランク;作家であること;文学への衝動;中心ではないという感覚自分は本物だろうか;人間は似ているという信念;世界を作り出す幸せ;なぜ書くのか;処女作の最初の読者)
2 内包された作者(毎日一服の文学を;書くことの困難と希望;差作家がつくる;作家がつくるもうひとつの世界;子どもの遊びとしての小説;内包された作者)
3 カルスで、そしてフランクフルトで(『雪』の舞台を歩いて;文学における「他者」;小説家と政治;「東」と「西」をめぐって;小説が露呈させるもの;ヨーロッパの礎石としての小説;トルコとヨーロッパという問題;世界の全てをとりこめる器)
附(書くことが、わたしを救う―ノーベル賞授賞式直前インタビュー;「東」と「西」を超えて―来日特別対談)
著者等紹介
パムク,オルハン[パムク,オルハン][Pamuk,Orhan]
1952年イスタンブール生。三年間のニューヨーク滞在を除いてイスタンブールに住む。処女作『ジェヴデット氏と息子たち』(1982)でトルコで最も権威のあるオルハン・ケマル小説賞を受賞。1998年刊の『わたしの名は紅』(邦訳藤原書店)は、国際IMPACダブリン文学賞、フランスの最優秀海外文学賞、イタリアのグリンザーネ・カヴール市外国語文学賞等を受賞。2006年度ノーベル文学賞受賞(トルコ人として初)
和久井路子[ワクイミチコ]
横浜生まれ。トルコ・アンカラ在住。フェリス女学院を経て、東京大学文学部言語学科卒業。同大学院修士課程修了(言語学・トルコ語学)。リハイ大学(アメリカ)で博士号取得(外国語教育)。現在、中東工科大学(アンカラ)現代諸語学科に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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