父のトランク―ノーベル文学賞受賞講演

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父のトランク―ノーベル文学賞受賞講演

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  • サイズ B6判/ページ数 188p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784894345713
  • NDC分類 929.574
  • Cコード C0097

出版社内容情報

父のトランクをめぐる逡巡が、父と子、世界の中心とトルコの関係、そして書くとは何かという問いへと、読者を導く。

内容説明

パムク自身が語るパムク文学のエッセンス。父と息子の関係から「書くとは何か」を思索する表題作のほか、作品と作者との邂逅の妙味を語る講演「内包された作者」、体験も踏まえて“政治と文学”を語る「カルスで、そしてフランクフルトで」、および作家・佐藤亜紀との来日特別対談とノーベル賞授賞式直前インタビューを収録。

目次

1 父のトランク―ノーベル文学賞受賞講演(父が残したトランク;作家であること;文学への衝動;中心ではないという感覚自分は本物だろうか;人間は似ているという信念;世界を作り出す幸せ;なぜ書くのか;処女作の最初の読者)
2 内包された作者(毎日一服の文学を;書くことの困難と希望;差作家がつくる;作家がつくるもうひとつの世界;子どもの遊びとしての小説;内包された作者)
3 カルスで、そしてフランクフルトで(『雪』の舞台を歩いて;文学における「他者」;小説家と政治;「東」と「西」をめぐって;小説が露呈させるもの;ヨーロッパの礎石としての小説;トルコとヨーロッパという問題;世界の全てをとりこめる器)
附(書くことが、わたしを救う―ノーベル賞授賞式直前インタビュー;「東」と「西」を超えて―来日特別対談)

著者等紹介

パムク,オルハン[パムク,オルハン][Pamuk,Orhan]
1952年イスタンブール生。三年間のニューヨーク滞在を除いてイスタンブールに住む。処女作『ジェヴデット氏と息子たち』(1982)でトルコで最も権威のあるオルハン・ケマル小説賞を受賞。1998年刊の『わたしの名は紅』(邦訳藤原書店)は、国際IMPACダブリン文学賞、フランスの最優秀海外文学賞、イタリアのグリンザーネ・カヴール市外国語文学賞等を受賞。2006年度ノーベル文学賞受賞(トルコ人として初)

和久井路子[ワクイミチコ]
横浜生まれ。トルコ・アンカラ在住。フェリス女学院を経て、東京大学文学部言語学科卒業。同大学院修士課程修了(言語学・トルコ語学)。リハイ大学(アメリカ)で博士号取得(外国語教育)。現在、中東工科大学(アンカラ)現代諸語学科に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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nobi

85
カズオ・イシグロに続いてのノーベル文学賞受賞講演録。パムクも父のトランクという思い出から話し始める。作家を目指した?父の原稿が詰まったトランクをすぐに開けることができない複雑な思いへの問いかけから。かつての華やかな都イスタンブールを拠点とする自身の生い立ちから。政治的経済的文化的辺境となったトルコの作家としてのハンディは作家として本物であるかどうかの不安感と重なる。それらを撥ね返した先に普遍的な文学の地平が開き、文学を信頼する熱い語りが迸る。それにしても三十年間ほぼ毎日、少なくとも十時間、書くってすごい。2019/02/11

どんぐり

84
パムクのノーベル文学賞受賞講演といくつかのエッセイ。表題作には、父親の書いたノートやメモの入ったトランクを預かった作家が、もし父のトランクから真の偉大なる文学が出てくることを考えたら、恐ろしくて開けることができなかったという話が出てくる。それを彼の小説のテーマである「伝統とかアイデンティティが失われる恐怖心や心の痛みを書くこと」と重ねて語っている。パムクもあと数冊、次は何を読もうか。2020/11/22

NAO

81
父親が結局作家にはなれず、自分は作家となった。父親と自分は何が違っていたのか。そういったことをとっかかりとして、作家になるとはどういうことなのかを述べたノーベル文学賞受賞記念講演の「父のトランク」。「父のトランク」「内包された作者」「カルスで、そしてフランクフルトで」で述べられている小説を書くということの動機、意義。それは、作者一人ひとり違っているのだろうが、共通することも多いのだろう。 2020/10/09

miyu

31
「父のトランク」がとてもよかった。実業家の裕福な家の息子に生まれ自身はエンジニアであった父親が、作家の息子に恥ずかしそうに渡した小さなトランク。中にあるであろう、父親が書きためたメモなどを想像し、パムクが理由もなくそわそわと落ち着かなくなる様が目に浮かぶようだ。「当時かなりの歳を重ねていたにもかかわらず、わたしは父に単に父であってほしかった」なんという正直な言葉であろう。人はみな、自分の親には親以外の人生なんて考えつかないもの。息子を愛し信じた父親が、パムクのノーベル賞を知らずに亡くなったのが残念だ。2015/01/31

スプーン

28
ノーベル文学賞作家による執筆論。 創作のひみつと、西洋文明と自国文明の間でもがく心境が語られます。 「究極の人智」としての小説を信じている方で、次は作品を読んでみようと思います。2017/09/14

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