内容説明
10光年のはるか彼方から鈴木いづみが還ってきた。「ほんとうの愛なんて歌の中だけよ」リアルな世界を明るくポップに綴るエッセイ集。
目次
いつだってティータイム
乾いたヴァイオレンスの街
ソフト・クリームほどの自由
疑似情熱のゲーム
リリシズムは都会にある
公園はストリート
うしなってきたもの…
だれもが変態になっている
ひとつの幻想のおわり
好きと決める〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
音
9
鈴木いづみの言葉が、寄り添ってくれる時もあれば 激しく突き放される時もある。もっともっと彼女の言葉を感じたい。2015/12/02
鏡子
3
この人の文章が明るいとは決して思えない。ただ湿気は感じられない。「異性は異性人」が、よかった。自分の考えのズレがわかった。死が怖いのではなく、死に対し無感動の自分が怖いというのは、普通の人は気づけない感覚なのではないか?「愛」の名において、じぶんを失う女は実に無様である。よかった。2012/01/15
ルミー
1
彼女の文章は高度な即興演奏を見ているようだ。なにか大きな理論に裏打ちされて、熟練した技術から生み出されるめちゃくちゃなアドリブ。時々置いてきぼりにされる。だが、悪くない、むしろ心地よい。2015/02/18
ばさし
1
摩擦を起こす程に現実と張り合いながらも、現実感などどこかに置き忘れてきたような、そういう人。2012/04/30
りさこ
1
この人の思想や価値観、言語感覚、比喩、想像力、どれをみても唯一無二だと思うけれど、彼女自身は「自分の意思などない」みたいなことを言う。刹那的で物悲しくも変に美しい生き方で、苦しみも人一倍だったろうとは容易に想像がつく。それでも憧れ焦がれてしまって、わたしには真似できないと思いつつもせめてもの思いで彼女の文章を貪り読む。2012/02/17