内容説明
イギリス・ロマン派文学の秀れた研究家である著者がドイツ表現派、ポランスキー、ニコルズ、シュミット、アルトマン、寺山修司、ブニュエルらの作品を文学、哲学、記号学、美学、心理学などの広汎な知識を駆使して読み解く、分析的映画批評。
目次
1 映画の修辞学
2 ダニエル・シュミット―メタ・シネマあるいは腐爛の美学
3 ロバート・アルトマン―神話と通過儀礼
4 寺山修司とブニュエル―時空遊行のトリック
5 淪落の映画日記
6 映画の「語り」・小説の「語り」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bo-he-mian
6
澁澤龍彦、種村季弘と並び称される「脱領域の知性」由良君美の偏愛映画論。ポランスキー、ブニュエル、ダニエル・シュミット、マイク・ニコルズ、寺山修司などを、その碩学ぶりで縦横無尽に解剖・礼賛する視覚快楽至上主義宣言。筆者が嫌いなゴダールを「極端な台詞の饒舌性に頼った、挑戦以上の意味はない莫迦作品」と一刀両断する痛快さ(笑)。白眉はアルトマンの『BIRD★SHIT』を「モック・エピック(疑似英雄詩)」として解釈した、対話形式の絶賛映画論。目からウロコの超刺激的な評論に、見知った映画が別の貌に見えてくる!2017/01/15
monado
0
とりあげられている映画ほとんど見ていなかった。昔の映画もちゃんと見ないとですね。2012/06/14