内容説明
43歳で、著者は「ディスレクシア」だったと知りました。この本は、「読み書きができない」著者が、妻の助けをかりながら、一生懸命書いたものです。
目次
序章 「ディスレクシア」の自分が、どうやって、この本を書いたか
第1部 読み書きができないオレは、どうやって生きてきたか(希望にあふれて入学した小学校なのに…;「あなたは理解してるよ」と教えてくれたS先生;荒れた中学校時代、陸上に出会った;3カ月で逃げ出した高校生活;16歳、飲食店で、建設現場で働く ほか)
第2部 オレなりの読み書きを、どうやって手に入れたか(「読み書きの困難」とは―ある芸人を見て思う;「読み書きの困難」―オレの場合は;オレなりの「読み」を、どうやって手に入れたか;オレなりの「書く」を、どうやって手に入れたか;オレの勉強のやり方で、試験に挑戦 ほか)
終章 家族として、教師として、本人の「叫び」に向き合う
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わむう
30
ディスクレシア(読み書き障害)である著者が、小学校教諭の妻のサポートを受けながら書いた自伝。読み書きが不得意なのは努力怠っているから、頭が良くないからだと決めつけられ、やりきれずグレた時期もあったそうです。それでも子どもの頃に出会った素晴らしい教師の存在や、やはり読み書きをしたいという気持ちから自分なりの挑戦を始めます。ディスクレシアの人たちは飲食店でメニューを選ぶことや、いろんな手続きのための簡単な記入すらままならず辛い思いをしていることを知りました。これから学習障害の関連書籍を読んでみよう。2021/03/10
くるぶしふくらはぎ
21
当事者の方のお話なので胸に刺さります。なかなか周囲に理解されにくいことですが、少なくとも、周囲は、もしかしてと思ったら、この本を読もう。2021/02/14
Natsuko
20
どんなに努力しても読み書きできない男性が40を過ぎて知ったディスレクシアという障害。思えば学生時代にも社会に出てからも、読み書きに苦労している人はいた。特に職場にいたあの人…能力を発揮してもらうために、どんな工夫ができるか一緒に考えたかったと、この本を読み終えた今思う。当事者の苦労や困りごとが具体的で勉強になった、もちろん画一的ではないことを肝に銘じる。間違っても「怠けている」と決めつけてはいけない。2人の恩師に改めてお礼を言えてよかったと拍手!著者のFacebookも拝見、奥様との出会いにも拍手!2020/11/08
hanagon44
10
理解力は十二分にあるのに,読み書きができないばかりに劣等生としてしか認識されず,学校での勉強は常に無力感と絶望感に直面させられた日々。学校から離れて社会人になってからも想像を絶する苦しみを味わい続けてきた著者の学びたいという強い気持ちに心が揺り動かされました。ディスレクシアという障害を言葉としては知っていても,実態を知ることがなかったことを恥じるとともに,知って何かできることはないかと考えさせられました。2015/05/14
えがお
10
昭和40年代、機転が利き利発な少年だった著者は、字の読み書きが苦手というだけで、さぼっているどうしようもないアホとされ、国内トップクラスにできた陸上も捨て「グレるしかなかった」。高校も中退、読み書きできない事ひた隠し、いつも手にケガやリウマチと偽る。その度自尊心傷つけられ、バレると大人なってもイジメ遭遇、職を転々とする日々…。子どもと電車のりながら読み、車内でマジ泣き。全ての人が自分に苦手があるように、読み書きが不得手な人もいると知らないといけないと痛感。私も社会にそれを報せていきたい。2013/08/13