感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ🍀
176
お父さんに会いたくて探し続ける子ぐまの物語。心に空いた大きな穴をどうやって埋めたらいいのだろう。誰か教えてくれないかな。探しに行って見つかるものなのだろうか。海辺にいたら出会えるのだろうか。誰かに聞いたら居場所を知っているのだろうか。海の底にならいるのかもしれない。星屑の彼方にならいるのかもしれない。きっとぼくのそばにいるのかもしれない。これだけ探してもいないのだから。誰がぼくを呼んでくれる?誰が夜に抱きしめてくれる?誰がぼくを愛してくれるの?探すほど見えなくなるもの。それは今ここにあるもの。大切な人へ。2023/03/11
ぶんこ
42
クマちゃんには一緒に暮らすクララがいるのですが、とうさんと一緒にいたい。とうさんを探しに行きますが、誰もとうさんを知らない。空にとうさん!とヤドカリさんが教えてくれますが、おりてきてはくれない。悲しくなるクマさんにヤドカリさんが言いました。「うちっていうのは自分で見つけなくちゃいけない場合もある。だいじなのは、君がまもられていて、きにかけられ、愛されてるっていうことさ」それを聞いてクマさんはクララの元へと帰ります。切ないけれど、クララがいてくれてよかった。2020/11/15
らぱん
34
読み友さんに唆されて。くまが可愛くてヤバい。細い輪郭線で水彩の彩色、画風としては「星の王子様」が思い浮かんだ。シリーズ三作を一気読みしたが、この作品は異色だと気がついた。正直なところ、全体にちょっと書きすぎじゃないかと感じ、絵だけで充分なのにと思ったのだが、この作品では、くまは自分が探すとうさんについて語りすぎている。あとがきから、くまに託して父親の話を書きたかったのだなと思い至りちょっと切なくなったが、だからくまがなおさら可愛いのかもしれない。また、物語には関わらず台詞もない端役の亀が気に入っている。2019/07/21
Willie the Wildcat
28
愛し、愛される。様々な形で「とうさん」という愛情の”形”を探し続け、最後に気がついた本当の”愛情”。身近だからこそ時に見えないことがある。そんなことに気づかせくれる優しい一冊。やどかりがいい味だしてますね。本文にもでてくる表紙がお気に入り。後書きの「作者について」を読んで再読!がお奨め。2012/07/08
mntmt
17
かわいいです。胸がキュンキュンしました。「きみのとうさんってどんなかんじ?」「ぼくがただぼくでいるだけで、ぼくのことを愛していてくれる」2015/03/01