内容説明
圧倒的な「吃音」詩群を遺し、「アンチ=オイディプス」とも比較される「ノン=オイディプス」概念を生みだしたゲラシム・ルカ。謎の多い詩人の生涯とテクストを丹念に追いながら、いかにして彼がシュルレアリスムを作りかえたのか、ヨーロッパ・アヴァンギャルドの歴史そのものを一新する。
目次
序章 シュルレアリスムの誘惑
第1章 ノン=オイディプスの軌跡
第2章 ノン、ノン、ノン―理論の反復と解体
第3章 分解される夢、贈与されるオブジェ
第4章 反復される言葉たちの炸裂―どもること、引き裂かれること
第5章 切り離されたイメージの衝突―キュボマニーをめぐって
終章 過剰に反復すること
付録 ゲラシム・ルカの詩と散文