出版社内容情報
もっと早く知りたかった!気鋭の脳科学者が語る衝撃の事実 ふと疑問に思うことはありませんか。「こんな勉強が将来何の役に立つのだろうか」と。世の中には受験という制度があるから勉強しなければならないのは仕方がないと思っている人も多いかもしれません。そんなときは是非この1冊を読んでみてください。
内容説明
本書ではこれまで経験則に基づいて語られてきた様々な勉強法について、脳科学の裏づけをもってその真偽を厳然と判定していく。そのために、まず、一般的な記憶の正体を明らかにし、記憶のメカニズムを説明する。そのあとで、高校生のみなさんにとって、中学生までとはまったく異なる「記憶力を鍛える方法」についてアドバイスをする。
目次
はじめに 高校の授業についていけなくなる理由
第1章 記憶の正体を見る
第2章 脳のうまいダマし方
第3章 海馬とLTP
第4章 ファジーな脳
第5章 天才を作る記憶のしくみ
著者等紹介
池谷裕二[イケガヤユウジ]
1970年静岡県に生まれる。静岡県立藤枝東高校を卒業し、東京大学理科1類に現役合格。入学後、「脳に対する薬の作用」に強く興味をひかれ、同大学薬学部、薬学系大学院に進学し、脳の研究に取り組む。98年「海馬(脳)」の研究によって薬学博士号を取得後、東京大学薬学部助手。薬剤師、日本薬理学会学術評議委員、アメリカ神経科学会会員
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tetsu
24
★4 記憶のメカニズムを脳科学から分析した本。受験生向けに書かれたものだが誰にでも役立つ内容。地道な努力と復習の繰り返しである時期から急激(等比級数的)に頭がよくなる。一度理解が深まるとそれが方法記憶となり多方面に応用でき相乗効果を生むということ。少なくとも学習に関しては努力が報われる。 高校の1年生や2年生に是非おすすめ。 2015/12/16
べる
16
脳の転換期である高校生になったら論理的に理解して理屈を覚える勉強の仕方に変える必要がある。繰り返すと大事なことだから覚えておく必要があると脳は錯覚。一度決めた参考書を最低4回繰り返すことが賢明。ホルモンの関係で記憶力は午前中が高まる。知識定着には6時間以上の睡眠が欠かせない。喜怒哀楽などの感情があるとき記憶は形成されやすい。脳は疲れないもの。モーツァルトを聴くと頭が良くなる。勉強は究めるほどに面白さが分かるから一定の時間と努力が必要。「決断せよ。そして、いったん決心したことは必ず実行に移せ。フランクリン」2021/06/26
Aoki
14
一般的常識レベルの内容もありますが、知っていた方がためになります。知識は記憶、ということで記憶についていかに効率的に有意に取り組めるか、という方法について。上から経験記憶、知識記憶、方法記憶の三階層のピラミッドとして、成長につれ下から上に発達する。九九を覚えるのに適した小学生とは違い、高校生ともなれば、経験記憶をうまく使って効率を高めるのがポイント。基本はとにかく繰り返しの復習、脳は睡眠中に整理するので時間をとる、好奇心を持ち、扁桃体を刺激するため感動したり飢え・寒さなど危機的状況も利用すれば効果的。2012/06/10
太田青磁
13
記憶のメカニズムを専門とする著者が、脳の仕組みをもとに効果的な勉強法を教えてくれます。復習と睡眠の大切さ、話すことで知識記憶を経験記憶に変える方法、学習の転移のべき乗の法則など、学生の頃に知っておけばよかったとおもうことがたくさんありました。「努力の継続」こそが、もっとも大切な勉強の心得。それが一番大変なんだけどね。2012/10/11
myoko
12
とあるスレッドでお薦めされていたので購入。高校生のときに読みたかった・・・。確かに大人になってからというもの、なかなか暗記できない。脳の性質の転換期が高校生くらいにあるとのこと。まだ遅くないかな?今日からこの方法で英単語を暗記して実践しよう!「ランプがまだ燃えているうちに人生を楽しみたまえ。しぼまないうちにバラの花を摘みたまえ」とあとがきにあったし。良書です。皆さんお子さんにどうぞ。2010/12/16