感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュール リブレ
21
やっぱり中東、アラビアのことは全く分かってないなぁ、と、あらためて思わされたな。今話題のシリア・ダマスカスからドイツに亡命した作家さんの悲しみと、それを笑い飛ばしてしまおうという個性?国民性? これこそがアラブなんでしょうか。でも、現代版 千夜一夜物語みたいで良い本だ。2014/10/23
Porco
14
シリア生まれのキリスト教徒である作者が、独裁政権から逃れてドイツに渡って書いた、ドイツのサーカスがオリエントへ巡業に出かける話。2024/03/14
なつき
6
小説『夜と朝のあいだの旅』読了。ナッハモルグ。まず、ナッハモルグ。たぶんそのことは、忘れない。ドイツで活躍する作家、ラフィク・シャミの、そのなかでもかなり現実要素をいれた、でもやっぱりふしぎな情緒のにおいに満ちた長編小説。ありがちな構造といえばそうかもだけど、すんばらしかったね最後。2018/05/13
ぱせり
3
「人生でいちばんすばらしい時間だ。だから、大抵人間はこの時間に死を迎える。夜は行こうとしているがまだ朝にはなりきっていない。そんな時間だ。色調は夜だが、もう朝の匂いがする。」それは、この物語全体の雰囲気に似ている。朝と夜の間の旅をしているのはラフィク・シャミ自身の魂かもしれない。2021/02/15
あたびー
2
ラビリンスのようなアラブの街の、あちらこちらから老若男女のシャハラザードが顔を出す。めくるめく楽しい物語。 おそらく彼の故郷シリアをイメージしているこのアラブの国は、既に政府と反政府勢力、そしてイスラム原理主義者の争いごとに巻き込まれているけれど、まだ充分美しい。今のシリアの姿から、彼は何を書くのだろう。2018/07/01