出版社内容情報
社会構成主義の基本テーゼから実践まで。
内容説明
心とは?自己とは?事実とは?より豊かな未来につながる“対話”のために、ガーゲンが今、世界の「常識」を問い直す。新たな“対話”の可能性を拓く実践的・社会構成主義入門。
目次
伝統的人間観の行きづまり
共同体による構成―事実と価値
対話の力―明日を創る試み
社会構成主義の地平
「個人主義的な自己」から「関係性の中の自己」へ
理論と実践(対話のもつ可能性;心理療法・組織変革・教育・研究;マスメディア・権力・インターネット)
「批判に答える」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
18
ほかの考え方との違いを含め、とてもわかりやすい教科書、そしてそれ以上に、自己も世の中も関係が成り立たせているとする社会構成主義自体、それが絶対的ではない、「根拠はない」と言い切る自信。だからこそ、他者との対話を成立させることができ、自己の内省につながり、少しでも前へ進むことができる。。って、このグッドスパイラルってプラグマティズムそのものとちゃうん。ミード、ローティは出てくるけれど、触れられてはいないデューイ、いや、パースの直系に思える。バルトやらフーコーとの距離感にせよ、もう一段深くわかっておきたいぞ。2014/03/16
おおにし
12
社会構成主義とは何か。例えば「水は酸素と水素からできている」という客観的事実でも、水や酸素などの意味は社会の中での了解の上に成り立っていると捉える立場のこと。一見真実だと思えることでもそこには宗教間、男女間、世代間など、あらゆる対立が隠れている。だから自分の発言を常に反省し、何が正しいのかについて、賛成派と反対派が対話により双方の了解を作り上げていく作業が重要だと社会構成主義は説いている。う〜ん、まだよく理解できていないけど合意形成にとても重要な考え方がここにあると直感。再読してもっと勉強します。2013/05/25
かえるくん
9
2017年1冊目にして、はやくも最高の1冊に出会えたかも。社会構成主義の根幹にある考え方は「物事の意味とは客観的事実ではなく、社会的な構成物である」ということ。「社会的な構成物」を「人々の社会的なコミュニケーションによってつくられたもの」と定義すると、つまり社会構成主義は、人はコミュニケーションの中で意味を紡ぐんだよ、と言いたいのだと解釈できる。ただ、この本はとてもわかりやすく書かれているが、とてもムズカシイ。部分は理解できるが、総体としては受けとめきれない。それは社会構成主義が、わたしたちにとっての「当2017/01/02
コジターレ
8
クレーム対応の研究第6弾。再読。クレーム対応をハウツーだけで考えたくないと思っていた。社会構成主義の「言葉は世界を構築する」という考え方を活かすことができるのではないかと思い、部分的に読み返してみた。何となく方向性が見えてきた。本研究はこれで打ち止め。2017/02/19
コジターレ
7
再読。社会構成主義の考え方は大好きだけれど,読み返してみて,まだまだ部分的にしか理解していなかったと思った。そして,読めば読むほど,社会構成主義をきちんと人に説明することの難しさを感じた。また,コロナ禍で対話をすることが減っている中,じっくり人と話したいと思った。2020/06/09