内容説明
エミリー・ブロンテやトルーマン・カポーティら、英米文学巨匠の名作を数多く手がけてきた翻訳の達人が「最高の訳とは」をずばり言いきる、決定版翻訳レシピ。障壁をくずす10の決め技。
目次
Have a Go at These―さっそくプロテストに挑戦
第1のおきて 辞書は逆さに読め
第2のおきて 目を細めたら逃げ出せ
第3のおきて 「彼女のそれ」とは別れよ
第4のおきて 畳の上で死ぬな
第5のおきて 流れに棹さすな
第6のおきて 相性のいい結婚相手の見つけ方と、やっていいこと、悪いこと
第7のおきて 日本語120%
第8のおきて 良いは悪い、悪いは良い―形容詞の処理
第9のおきて キョロキョロ・グルグルするな―動詞の処理
第10のおきて 中年・本能・虎狩りが危険―名詞の処理
最後のおきて それではどうする?
翻訳のBack Stage Tour(舞台裏見学)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
M1号
4
『嵐が丘』などの英米名作をたくさん手がけられた翻訳家による、翻訳レクチャー本。様々な実例を挙げ、先人たちの誤訳を遠慮なく指摘しつつ、英語のプロでも勘違いしやすいポイントを解説。少し時代を感じる訳もあるけれど、基礎の勉強にとても役立つ本。■国によって、美的感覚や季節感にはずれがある。そこまで調べて翻訳しないと。■英語のリズムは3、というのが興味深かった。そのまま訳すと確かにくどくなるけど、どうなんだろう?そのままの味というのもある気が。2016/04/20
naginuko
1
おきては厳しいが、どれも納得いくことばかり。自分も辞書ひく回数を増やすべきだと実感しました。2020/01/25
2021 GT
0
翻訳や通訳に携わる人向けにと思って読むと文化の違いや外国語に接する姿勢など大変勉強になりました。日本語・日本文化が特別で繊細であるというような言説が昨今目立ちますが、そういう考えに囚われると本質を見失う、という著者の姿勢は見習うべきですね2023/10/16