内容説明
印刷することもできれば、物を書くことも、破ることも折りたたむこともできる、白い魔術の顕現―紙。電子ペーパーの時代を迎えた今、近代以降の礎となったアナログの世界、すなわち「グーテンベルクの時代」とそれを包括する「紙の時代」を新たに検証し、文学・史料の援用をまじえながら、物質/情報両面の媒体たる紙を論じる。
目次
1 ヨーロッパにおける紙の普及(サマルカンドからの紙片;高まるざわめき;普遍物質)
2 版面の裏で(“印刷されるもの”と“印刷されないもの”;冒険者と紙;透明な活字)
3 大規模な拡大(製紙機の悪魔;新聞用紙と、大衆紙の成立;照らし出される内面世界;近代の紙)
著者等紹介
ミュラー,ローター[ミュラー,ローター] [M¨uller,Lothar]
1954年生まれ。作家、ジャーナリスト。ベルリン自由大学講師(一般文学論、比較文学論)、『フランクフルター・アルゲマイネ』紙の文芸記者を経て、現在は『南ドイツ新聞』学芸欄編集、フンボルト大学客員教授。2000年には文芸評論でアルフレート・ケル賞を、2008年には評論・エッセイでヨハン・ハインリヒ・メルク賞を受賞
三谷武司[ミタニタケシ]
1977年生まれ。翻訳家。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。新潟大学人文学部助教、同特任助教を経て、現在は法政大学社会学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぼのまり
5
改めて思うに、紙の発明がなければ人類はこのような進化(といって差し支えなければ)はしなかっただろう。本ではヨーロッパにおける紙の普及、製紙、印刷技術といった面と新聞などに代表されるメディアとしての情報伝達手段といった面にスポットライトをあてている。ヨーロッパ文化の側面から『紙』の存在を考えるのに好適のように思う。2013/08/01
Hiroki Nishizumi
1
文章が少々冗長で読んで疲れた。既知の内容が多かったのでそう感じたのかも。2017/02/23
ぜっとん
1
紙の歴史と、その文化史的側面を、具体的な文学作品などにその表象を見つつ時系列順に分析していく本。『荒涼館』あたりはいずれにせよ読まねばならない作品だったのでこういう風に扱ってくれると読む気になる。読むか……。2014/04/25
takao
0
なんかよくわからねーぞ。2018/09/25