内容説明
絵画の芸術性を決定するのはその画面自体であり、作者の出自や経歴・性格といった個人的事実は、芸術としての優劣評価には何ら関係がない―アメリカ最初の国際的画家の一人と言われ、生涯癒えなかったアルコール中毒等、顕著な伝記的挿話に事欠かないポロックに対し、全創作過程にわたり、鋭利な分析の眼でその画面の質と芸術性を見定めた現代美術批評の白眉。待望の改訂新版刊行。
目次
心の再構成
実験的作品をめぐって
主題の変奏
一九四三年
転換期の絵画
アクション・ペインティング批判
創造過程
オールオーヴァのポード絵画
著者等紹介
藤枝晃雄[フジエダテルオ]
京都大学大学院修士課程修了。博士(文学、大阪大学)。武蔵野美術大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
邪馬台国
1
作家に突っ込んだ解説本を始めて読んだけど、画集より得られる情報量は多かった。なかなか疲れたけど。2011/04/17
Naota_t
0
★3.2 東京国立近街美術館で2012年にポロックの回顧展へ行ったことがあったので、楽しみに読んだが、結構残念だった。美術館に行った時の作品横にあるディスクリプションのような内容がひたすら続くので読んでいて疲れる、学術書に近い。結局、著者はポロックの何を伝えたかったのかがわからなかった。作品が多く掲載されているのは嬉しいが、全部白黒だし、写真もかなり小さく惜しい。絵画を学ぶことなしに、ユングやピカソ、マティスに大きく影響されたこと、アルコール中毒の治療に作品を利用したのも興味深い。ロールシャッハみたい。2020/07/22