覚醒剤の社会史―ドラッグ・ディスコース・統治技術

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  • サイズ A5判/ページ数 440,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784887136717
  • NDC分類 368.8
  • Cコード C3036

内容説明

覚醒剤はその背後に夥しい社会的・歴史的視線をまとっている。その単なる薬理を超えた社会性を端的に示す「ヒロポンと覚醒剤とは違うものだ」とのひと言に導かれ、医学論文、国会会議録、使用者の告白など、言説分析を基底とする詳細な探究を通じて、覚醒剤そしてドラッグという現象の成り立ちを明らかにするとともに、さらに今日の社会のありようにまで考察を進める、わが国初のドラッグの社会学。

目次

覚醒剤の社会史―ある奇妙な「何か」から考えはじめること
第1部 ドラッグ政策研究と方法論の検討(ドラッグ問題とドラッグ政策研究―リンドスミスのドラッグ研究;政策と道徳―機能分析という方法;ディスコースの分析―方法論的ディスコース主義)
第2部 覚醒剤現象の研究(初期医学的諸研究―薬理作用の探究;覚醒剤中毒のディスコース編成―探究から鑑定へ;法案審議にいたるまでの過程―前提的に構築される他者性;法案成立、そしてその後―新たな他者性の構築;覚醒剤使用者の告白―語りの同心円構造)
覚醒剤ディスコースと統治技術―何が思考されなかったのか

著者等紹介

佐藤哲彦[サトウアキヒコ]
1966年神奈川県に生まれる。熊本大学文学部助教授。博士(文学)。専攻は社会学。大学卒業後出版社勤務を経て京都大学大学院に進学。1997年京都大学大学院文学研究科博士課程中途退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ヨミナガラ

2
“したがって、覚せい剤取締法案審議の、あの理事の発言の合理性は、実は医学的研究それ自体によって根拠づけられたものではない。むしろ医学的研究を経由することによって根拠づけられているかのようにみえたにすぎない。なぜならそれは、再構築・再生産された自明性であるからである。もっともこれは、だから覚醒剤は悪くないと主張しているわけではない。そうではなく、覚醒剤を問題視することにそもそもの合理的根拠はないことを示したのであり、合理的根拠がなくとも、人びとはそれを悪いものと信じることができることを示したのである。”2014/04/30

H.Hiro

0
県 マジまた読みたい本2019/04/02

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