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出版社内容情報
「東京新聞 今週の本棚」2007.5.17より
想像してみよう。楔文字がぎっしり刻まれた粘土板が、作品ごとに棚にまとめられ並んでいる光景を。あるいはタグをつけて積まれたパピルスの巻子本を、傷めぬよう細心の注意を払い取り出す瞬間を。そんな初期の図書館で、本の分類整理、貸し出し本の損壊・盗難の問題に頭を悩ませながら情熱と労力を注いだ先人たちの営みを。
古代西アジアで権力者の個人用に生まれ、やがて公的に万人に開かれていく図書館の黎明期を、収集、閲覧方法や都市間の競争、図書館員らの仕事、図書館の遺構の形態などから多面的にたどる。
「図書新聞」書評に載りました。
内容説明
粘土板はどう扱われたか?パピルスはどう作られ、どう書かれたのか。粘土板から冊子本への進化は図書館をどう変え、本をどれほど増やしたか。それが人間の社会にどんな結果をもたらしたか?
目次
第1章 西アジア―粘土板の保管
第2章 ギリシア―書物の収集
第3章 アレクサンドレイアの図書館
第4章 公開図書館の始まり
第5章 ローマ人の蔵書
第6章 皇帝たちの図書館
第7章 ローマ帝国の地方図書館
第8章 巻子本から綴じ本へ
第9章 中世へ
著者等紹介
新海邦治[シンカイクニハル]
1940年甲府市に生まれる。1962年東京学芸大学卒業。1967年東京都立大学大学院修了。日本女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イボンヌ
9
紀元前から図書館があった事に驚きます。最初は粘土板に書かれ、次にパピルス紙の巻物。エジプトの図書館の碑には「魂の診療所」と描かれていた。2017/12/18
Metonymo
2
古代ではいかに原典を手に入れて、複写(ホメロスや聖書の手写本等の苦労)し、管理に苦心したかが、粘土板、パピルス、綴じ本の歴史とともにわかる本。大プリニウスが時間を節約するために輿に乗り、朗読係に音読させて、自分はメモをとり、抜粋を作っていたのは面白かった。図書館の魅力は七世紀にセビリヤの司教を務めたイシドルスが図書館の壁に掲げていたという詩に集約されている「ここには本の山がある、聖なるものも俗なるものも。」2013/04/07
もち
2
古代からローマにかけての図書館の来歴。図書の管理方法や建物の構造など詳しく書かれている。特にアッシュルバニパルの図書室にあった粘土板でできた本の奥付に書かれていたという、窃盗に対する威嚇のための呪いの言葉が必死で面白かった。2011/06/02
saba
1
古代アッシリアの図書館(の原型)に収蔵されていた粘土板の奥付に刻まれた楔形文字。「この書を乱暴に扱ったり水に濡らしたりして読めなくする者、なかんずく無断で持ち去ったりする者よ。神々に永遠に呪われろ!!お前の死体は犬に食われろ!!(大意)」という管理官のガチギレに声出して笑った。2020/11/02
らむだ
0
要再読2012/08/11