出版社内容情報
第二次大戦の前提となった不幸な共和国とヒトラーの進出は,ドイツの現状にとって避けて通れないばかりでなく,ヨーロッパ諸国にとっても忘れ得ない。現時点での概観と研究の総括
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K.H.
3
30年以上前の本だけど、とてもよくまとまっていて参考にしやすい。が、その分叙述が平板で読み進めにくく感じる。ヴァイマル文化には多少触れられているものの、本質的には政治史の本である。それ以外の要素が言及されるのは、政治に影響を与えた限りにおいてだ。それから、今ではそんなことはないと思うのだが、ヴァイマル共和国を「ナチズムへの準備期間」としてのみ捉えるという当時の史学会の一般的な風潮から自由ではない印象。この分野では基本書のひとつらしく、後々まで参照されているようだが、それも頷ける良書。2020/12/31