内容説明
本書は、ミラー２番めの妻ジューンがパトロンと結んだ、肉体と金が絡みあう「密約」から生まれた処女長編の全訳である。１９２０年代後半のＮ．Ｙ．はブルックリン界隈。大アメリカ電信社に勤める採用担当係長のディオン・モロク。彼は、うら若く美しい女性ピアニスト、ブランシュと一緒になった。結婚手数料は新婦もちで…。しかし蜜月のときは、いつしか罵りあう日々にすりかわってしまう。知識と興奮と性的満足を与えてくれる活動―。仕事仲間との知恵くらべ、小説執筆、秘書たちとの不倫、売春婦との情事に興じるモロク。そんな彼が知る愛の真理とは？
