金沢城のヒキガエル―競争なき社会に生きる

金沢城のヒキガエル―競争なき社会に生きる

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  • サイズ B6判/ページ数 243p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784886222855
  • NDC分類 487.85
  • Cコード C0040

内容説明

本書は、石川県金沢城跡に生息するヒキガエルを、9年間にわたり追跡した調査記録である。1526匹についての成長・繁殖・移動の克明な記録をもとに、彼らの生活史を明らかにし、1つの集団が消滅するに至るまでを追う。

目次

序章 雨の金沢城跡
第1章 金沢城のヒキガエル
第2章 最初の1年
第3章 繁殖
第4章 生まれてから死ぬまで
第5章 本丸ヒキガエル集団の盛衰
第6章 ヒキガエルの社会
終章 競争なき社会を求めて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

尾張こまき

2
「健康保持と(研究者の身分を保つ)保険として始めた」、9年にもわたる金沢城本丸のヒキガエル調査からわかったこと、考えたことをまとめられた本。体長に関する記述が頻出するので読むときにはぜひお手許に「ものさし」を。独特の語り口に最初は慣れませんでしたが頁を繰るごとにハマること請け合い。こんな先生に出会いたかったな。ヒキガエルの生態もさることながら、人間社会、生物学のあり方に投げかける鋭い視線にも頷かされます。『論語』が出てきてうわっ!てなりますがwしかし道を埋め尽くす子ガエルとか…み、見たい!2013/03/03

usugita_san

1
雑学的な面白さがある。研究するという事がいかに面倒くさくて、研究者もやはり人間であるという親しみがわく。2019/10/01

ヒツノ

1
研究結果や方法などは今後に役立ちそう。野外に出て自然を観察したくなりますね。競争や他の人なんてものは考えずに自分のしたいことをしたいようにする、調べる、見る、ということが重要なのかな!あと、読んでカエルに興味がわいてきた。指切り法でヘビより楽に個体識別できるのはいいね…。2014/03/22

星規夫

1
記念すべき200冊目の本。金沢城本丸に生息したヒキガエルたちの生態調査に勤めた著者の、調査結果や考察、調査をしていく中で抱いた悲喜こもごもが、少々の毒気を含んだユーモアで綴られている。いきすぎたダーウィニズムや、それを人間社会に適用しようとする人々に異を唱える奥野先生に強くに賛同したい。このような意見を持った生物学者の方がいたということに、少し勇気付けられた気がする。最も、その根拠としていたヒキガエルたちが全滅してしまった、というオチがついてしまい、残念ではあったけれど。2012/07/28

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