出版社内容情報
技術的に興味ある事柄の仕組みは数学的に簡潔に美しく表現され, 逆に数学によって記述された理論が思わぬ新しい現象を予見することはしばしば起る.本書は, 数学を軸に電子情報通信分野の全貌を概観したもので, 情報幾何学のみならず, 短編的に各分野のトピックスを楽しみながら読むことができる.
●ネットワークの海図を描く
情報技術の高度化に伴って、ネットワークは急速に進化し続けている。その進化の方向を過たずに、人と組織を未来へとナビゲートする知が求められている。
われわれは、知識科学が拓く多様な研究領域を見てきた。しかし、これまでの旅程は、諸科学の再編・統合を目指す知識科学という企てにとって、まだ始まりに過ぎない。微視的な視点からの探求は、遺伝子レベルでの知のエレメントの発見にまで及び、他方、巨視的な視点からの探求は、国ないし地球規模で知を活用するためのメソドロジーをも包括するであろう。知ることへの欲求が終わらない限り、それらを横断する知識科学のフロンティアも拡張し続ける。新しい研究領域への遍歴の叙事詩が始まる。
目次
総論―電子情報通信と数学のかかわり、どう数学を学ぶか
情報幾何
関数解析と逆問題
電子情報通信とグラフ・ネットワーク理論
VLSI設計と数学
回路理論と数学
ロボットの手先技量と非線形回路理論
非線形関数解析とその電子情報通信システムへの応用
精度保証付き数値解析にまつわるできたてほやほやの話
複素関数論とz変換〔ほか〕