コンピュータはどれほど賢いのか―知の可能性を広げるコンピュータ数学への招待

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  • サイズ A5判/ページ数 286p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784883992928
  • NDC分類 007.1
  • Cコード C3055

出版社内容情報

著者からの推薦文
コンピュータと数学が生み出す豊潤な世界にご案内します。

 コンピュータは、今や私達にとって身近な道具の一つとなりました。ワープロや表計算といったビジネスでの利用はもちろんのこと、写真を加工したり、オリジナルのDVDを作ったりと、ホビーとしての利用もどんどん広がっています。複雑な処理をいとも簡単にこなしてしまうコンピュータに対して、「これほど賢い機械は、他にない」と感じる人も多いことでしょう。
 では、そのコンピュータはいったいどうして賢いのでしょうか? おそらく多くの人が「コンピュータが賢いのは当たり前」ととらえていて、そんな問いを考えてみたこともないはずです。
 コンピュータの「賢さ」を構成する要素はさまざまですが、その中で最も重要な要素の1つといえるのが「数学」です。身近な例でいえば、写真を加工するための画像処理ソフトはまさに方程式を大量に駆使した数値演算プログラムといえます。また、DVDや3D映像には三角関数が応用されています。もちろん、これは一例に過ぎず、コンピュータが行うすべての処理は、何らかの形で数学の経験的知識が利用されているのです。「まさに数学なくしてコンピュータの賢さを語ることはできない」といっても過言ではありません。
 しかし、実際のところ、数学は多くの人にあまり好かれていません。「コンピュータは興味あるけど、数学は苦手」といったことから、コンピュータのより深い理解をためらっている若手技術者も多いことでしょう。
 本書は、そうした数学という「溝」を何とか乗り越えた先輩の一人として、まずは目の前の溝を飛び越え、その先に広がる豊潤な世界に皆さんを案内したい、という思いから執筆をはじめました。そのため、コンピュータと数学に関する基本的なトピックを単に優しく解説するだけでなく、コンピュータパズルやチェスの話題、さらには円周率や素数、カオス・フラクタルといった幅広い分野について解説しました。また、お手元のパソコンで実際に試すことができるトピックについては、JavaScriptを使ったプログラミングを掲載しました。
 いろいろと欲張ったために、やや厚い本になってしまいましたが、これなら数学が苦手だった学生時代の自分でも楽しみながら読める一冊に仕上がったと自負しております。

■出版社からの推薦文
コンピュータと数学の深い関係をわかりやすく解説しました。

 コンピュータはすっかり仕事の道具として定着しました。従来、人間がいちいち手でやっていた仕事をコンピュータがどんどん肩代わりするようになったからです。お店ではレジがバーコード入力の端末機に代わり、改札口は一瞬で切符の情報を読み取る自動改札になりました。しかし、コンピュータの存在が当たり前になればなるほど、私たちはその仕組みや動作原理に対して無関心になっているのではないでしょうか。そして、ただその便利さを享受するだけで、そこに埋め込まれた多くの知識や経験を見逃しているのではないでしょうか。
「コンピュータは賢い機械である」と多くの人々が感じていることでしょう。それでは「なぜコンピュータは賢いのか」という素朴な問いかけを行うことから、本書の企画はスタートしました。そして、その「賢さ」を知る手がかりの1つが「数学」にあることを本書は明らかにしていきます。
 本書では、コンピュータが足し算や引き算をする仕組みから解説を始め、画像処理における数式の利用やパズルを解くコンピュータの思考法についてわかりやすく説明していきます。さらには、円周率や素数といった、現在数学の世界でもっともホットな話題についても紹介します。そして、カオスやフラクタルといったコンピュータによって開拓が進められている研究ジャンルについても触れていきます。
 本書の目的は、コンピュータと数学の深遠な世界を読者の皆さんにわかりやすく伝えていくことです。しかし、それとは別に、単にビジネスの道具ではないコンピュータの本当の面白さを伝えたいという思いが詰まった作品になっています。従って、本書は必ずしも読者の皆さんが今取り組んでいる仕事にすぐに役立つものではないかもしれませんが、本書を足がかりとして、コンピュータのより深い理解をサポートできれば幸いに存じます。

■著者略歴
舩本昇竜(ふなもと しょうりゅう)
国立舞鶴工業高等専門学校電気工学科在籍中に『バックアップ活用テクニック』(現在の『ゲームラボ』、三才ブックス刊)にて連載記事を執筆。同校卒業後、株式会社満開製作所に入社。電子出版物としては日本最古の定期刊行誌『月刊電脳倶楽部』の副編集長を務める。現在はシステム開発会社でWebベースCRMや検索システムの開発を行う傍ら、短大の部外講師や各種技術の講演・講習等を行っている。著書に『プロテクト技術解剖学』(すばる舎)がある。

■目次

序章 コンピュータの「賢さ」は数学が支えている
0.1 コンピュータの「賢さ」とは何か

第1章 コンピュータが計算する仕組み
 1.1 0と1で計算するコンピュータ
 1.2 コンピュータの四則演算
 1.3 0による割り算と桁上がり

第2章 コンピュータにパズルを解かせる
 2.1 数学的な論理を具体化する
 2.2 「ハノイの塔」を解かせる
 2.3 「小町算」を解かせる

第3章 コンピュータグラフィックスと方程式
 3.1 コンピュータグラフィックスの基本
 3.2 画像処理をするための数値演算
 3.3 三角関数を使った画像処理

第4章 チェスコンピュータとその思考法
 4.1 チェスを巡る人間とコンピュータの戦い
 4.2 8Queen問題
 4.3 騎士巡歴問題
 4.4 ゲーム展開のすべてを把握する

第5章 永遠の世界に挑戦するコンピュータ
 5.1 終わりなき円周率
 5.2 素数とネットセキュリティ
 5.3 工学を陰で支える自然対数の底e

第6章 コンピュータが生み出すカオスとフラクタル
 6.1 カオス・フラクタル概論
 6.2 フラクタルの奇妙な美の世界
 6.3 カオスを生み出す数式

終章 未来の賢い機械のために

内容説明

コンピュータは単なるビジネス道具ではない。数学の理論が駆使された「知的好奇心」の源泉である。

目次

序章 コンピュータの「賢さ」は数学が支えている
第1章 コンピュータが計算する仕組み
第2章 コンピュータにパズルを解かせる
第3章 コンピュータグラフィックスと方程式
第4章 チェスコンピュータとその思考法
第5章 永遠の世界に挑戦するコンピュータ
第6章 コンピュータが生み出すカオスとフラクタル
終章 未来の賢い機械のために

著者等紹介

船本昇竜[フナモトショウリュウ]
国立舞鶴工業高等専門学校電気工学科在籍中に『バックアップ活用テクニック』(現在の『ゲームラボ』、三才ブックス刊)にて連載記事を執筆。同校卒業後、株式会社満開製作所に入社。電子出版物としては日本最古の定期刊行誌『月刊電脳倶楽部』の副編集長を務める。現在はシステム開発会社でWebベースCRMや検索システムの開発を行う傍ら、短大の部外講師や各種技術の講演・講習等を行っている
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