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出版社内容情報
■著者からの推薦文
技術や経験以上に今求められられているもの、それは「思想」である
最近、SE(システムエンジニア)と呼ばれる人の数は爆発的に増えている。これはコンピュータの普及に伴う需要の拡大に加え、SEという言葉の拡大解釈が原因と言える。つまり、新入社員のSEやプログラムが書けないSEなど、一昔前であればSEとは呼ばなかったような業務を行うSEが増えているのだ。このようなSEは本当のSEではない、と言い捨ててしまうのは簡単だが、SEという名称が一人歩きしているのもまた事実だ。
本書はそんな「今の」SEに向けて書いたものである。生粋のSEには言いたいことがたくさんあるだろう。しかし、ともするとその苦言は技術的なことなどに終始してしまう。たしかに、本来の意味のSEと今のSEの違いとして技術力があることは確かだが、もっと重要なことは根幹にある「思想」ではないだろうか。
思えば、とある酒宴での「あいつは絶対にSEじゃないよなぁ」という話が本書の誕生するきっかけだった。そのときは本にするなど微塵にも思っておらず、「やっぱりSEは思想が大事だ」などとぼやき半分で言っていたものだ。その後、様々な状況で色々な仕事を行い、大きな問題にいくつもぶつかった。そのたびに「SEの持つべき思想」というキーワードを通して、目の前で文句を言っているSEの抱える問題が見えてきたり、あるいは自分が進むべき明確なゴールが現れた。技術や経験がないことよりも、SEが持つべき「思想」が欠如していることが、ものごとを誤った方向に進ませることになるのだ。
本書では実際に著者が見てきた多くの実例を元に、その行動の問題点、どうすべきだったのか、なぜそうすべきだったのかを詳しく述べている。すべてを読めば、同じ状況に立ち会ったとき、正しい「思想」によって自然と回答が出せるようになるだろう。
書いてある内容は非常に当たり前のことであり、SEに限った話でないものも多い。事実、ITとは関係のない仕事をしている知人に本書を読んでもらったところ、「耳の痛い話がたくさんあった。コスト意識という話やタイムマネジメントには思い当たる節があったので、上司に提案して実践するようにした」という感想をいただいた。執筆中に著者が渡米してしまい、予定が狂ったとか、校正すらメールで行ったなどという苦労が吹き飛ぶくらいありがたい言葉だ。
これからIT業界に身を投じる人やSEを雇おうと思っている人はもちろん、ITとは関係のないサラリーマンの方が読んでも、何かしら得るものがある一冊になったのではないかと自負している。
■出版社からの推薦文
本書をヒントに、SEの持つべき「思想」について考えてみてください
本書は、現場で長年業務に携わっているベテランの現役SEが、同僚や後輩そして新人のSE達に伝えたい「思想」について綴った一冊です。
SEという仕事を考えるにあたって、まず「SEとは誰のことなのか」それをはっきりさせなければなりません。本書の第1章では、現在最も増加しているSEを「広義のSE」ととらえて、従来のSEとの違いや「広義のSE」のあり方について述べています。
そして第2章では、SEにとって最も重要なテーマの1つである「コスト意識」について取り上げています。システムに関わる仕事は、その性質上コストについてより敏感にならなくてはなりません。また、単にコストを削減すれば良いといった短絡的な発想ではなく、コストをコントロールすることで、より効率的で利益の上がる場合があることについても具体的な事例によって説明しています。
コスト意識と同様に、SEにとって必須となるコミュニケーション能力については第3章で取り上げてます。「技術があればコミュニケーションなどどうでもよい」といった技術偏向の考え方では、SEの仕事を全うできないことを指摘しています。
続く第4章と第5章では、よりSEの仕事に直結したトピックを取り上げます。第4章では、システムの設計やプログラミングにおいて、いかに「思想」が重要な位置を占めているかを述べています。そして、第5章では、ユーザサポートやプロジェクト管理といった問題解決の場面にあたって、どのように考え、そして行動すべきかを説いています。
最後の第6章では、「本物のSE」になるためにいくつかの具体的なアドバイスを行っています。自分のスキルに対するとらえ方、タイムマネジメントという発想、新しい技術に対するアプローチの仕方など、今すぐにでも実践できるものです。
日々の業務だけでなく、新技術の習得や資格試験のための勉強など、SEの皆様は多忙な毎日を過ごされていることと思います。そんな中、ふと立ち止まって、SEが持つべき「思想」とは何かを考えてみて下さい。その際に、本書に書いてあることがきっと貴方のお役に立てると思います。
内容説明
近年、SEの労働市場は飽和しつつある。やがてSEにとって厳しい時代を迎えることになるだろう。こうした時代を迎えるにあたって、本書は、SEのあるべき姿をはっきりさせ、SEの持つべき考え方を提示するのが目的である。
目次
第1章 SEをとりまく現状―SEの働く現場と雇用情勢
第2章 SEが持つべきコスト意識―自分のコスト、機材のコストをどうとらえるか
第3章 SEに求められるコミュニケーション能力―技術だけでは「できるSE」にはなれない
第4章 信頼性の高いシステムをいかにして構築するか―システム設計とプログラミングに必要な「思想」
第5章 ユーザサポートとプロジェクト管理のあり方―技術だけでは解決できない問題に対してどう取り組むか
第6章 自己を高めて本物のSEを目指せ―一流を目指すのに遅すぎるということはない
著者等紹介
秋月昭彦[アキズキアキヒコ]
大阪府生まれ。小学校時代を海外で過ごし、AppleやApple2に出会う。東京工業大学を卒業後、大手プリント配線板メーカー勤務を経て、パソコンインストラクターやドライバー、塾講師をしながらゲーム企画会社を設立する。その後、会社を人手に渡し、大手出版社でコンピュータ関連のWebマガジンの編集や、企業向けWebコンテンツの企画・制作・コンサルティングなどを手がける。現在はプロジェクトマネージャとして、携帯電話向けeラーニングシステムを制作中
瓜生聖[ウリュウセイ]
宮崎県生まれ。小学生の頃に友人が持っていたMZ‐80K2Eに衝撃を受け、プログラミングを始める。大学卒業後、ゲーム開発会社に就職するも、生産管理システム等を開発する会社にプログラマとして派遣される。その後、金融情報サービス会社、WWW情報サービス会社などでSEを務め、現在に至る
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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