アイヌの神謡

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  • サイズ A5判/ページ数 484p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784883231386
  • NDC分類 929.2
  • Cコード C3039

出版社内容情報

アイヌ民族の伝承文学の貴重なモニュメント●かつて刊行された『アイヌ叙事詩 神謡・聖伝の研究』(1977年・岩波書店刊)に収載されたアイヌの故老・老媼から採録した神謡(Kamui-yukar)106編と聖伝(Oina)18編は、対訳・注解編であり、その刊行時に、現代訳をした「説話編」は割愛された。本書は、岩波版では原文のニュアンスを味読するには容易でなかった、これらの伝承文学を神話・説話として理解しやすく把握できるように編者が現代訳にした124編すべてを収録した。

【アイヌの神謡について】神謡は神々が人間の口を借りて、その身の上を自叙して歌う神話を内容とする叙事詩である。神謡の主体たる神も、汎神的な神々で、鳥獣・草木・日月・星辰あらゆるものがそれである。熊・梟・兎・狐・鯨・鯱等々も神であり、時に妖魔や化物さえも神と考えるので、およそ我々の神の観念とはかけ離れたものである。神謡の言語は、日常の口語とかなり違った古風な雅語で、一編毎に違った節調をもって歌われるが、それは「歌う」と「語る」との中間をいくような、あまり抑揚変化のない単純なものである。神謡は、短い言葉は声を伸ばして長めに歌い、長い言葉は早めに歌って、ほぼ四拍子に合う程度にそろえて歌うのである。

内容説明

かつて刊行された『アイヌ叙事詩 神謡・聖伝の研究』(1977年)では、アイヌの故老・老媼から採録した神謡(Kamui‐yukar)106編と聖伝(Oina)18編は対訳・注解編であり、現代訳をした説話編は割愛された。本書は、原文のニュアンスを味読するには容易でなかった、これらの伝承文学を神話ないし説話としての構成、大筋、場面の推移として把握できるように編者が現代訳にした124編すべてを収録した。

目次

1 神謡(火の媼神の自叙;兎の大将の自叔;兎の自叔;蜘蛛の女神の自叙;自叙神不明 ほか)
2 聖伝(アイヌラックルの自叙;小アイヌラックルの自叙)
アイヌ民族の歌謡―解説に代えて(久保寺逸彦)

著者等紹介

久保寺逸彦[クボデライツヒコ]
1902年北海道生まれ。1925年国学院大学卒業。1949年東京学芸大学教授。1960年『アイヌ叙事詩 神謡・聖伝の研究』により文学博士。1966年駒沢大学教授。1971年死去
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感想・レビュー

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kaizen@名古屋de朝活読書会

2
106の神謡と、18のアイヌラックルの自叙と解説 解説は歌の視点。制作者の久保寺 逸彦は金田一一門の一人。 どれかひとつでも絵本にしてみるといいかもしれない。2012/05/01

花子

1
妻問いヒロイックファンタジーから素朴な教訓的昔話まで盛り沢山。アイヌの習慣、多彩な神さま達についてひたすら読みたい人には量的にも満足な一冊。100編以上収録とあって百貨辞典並みにぶ厚い。アイヌ語のルビが楽しい。ただ、漢字の誤字が所々気になったけども…。愚か者をおだてて持ち上げておいて最終的にブチのめすパターンが空恐ろしいけど癖になる。2014/09/09

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