内容説明
SF界の巨人ディックの創作の秘密を解き明かすファン垂涎の書、ついに刊行!未訳のエッセイ、ノートなど多数収録。
目次
第1部 自伝的な短文
第2部 SFとそれに関連するアイデアについての短文
第3部 『高い城の男』と、提示されたその続篇に関連する作品
第4部 プロットと梗概
第5部 エッセイと講演
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スターライト
5
ディックが私生活、自作、宗教と政治などについて書いた文章をまとめた本。70年代に書かれたものが多く、〈ヴァリス〉三部作や『流れよ我が涙』『高い城の男』に関する文章が興味深かった。『高い城の男』の続篇(!)の文章の一部を読めただけでも収穫。2013/07/15
kokada_jnet
5
題名の「すべて」というのは、ちと違う。「SF作家はもうからない悲惨な人生だ」という自虐エッセイ多数と(猫が死んだを嘆くのがいいなあ)。「SFは可能性の文学だ!」というSF論。「ヴァリス」周辺の妄想エッセイいくつか。訳者の飯田隆昭という人は、バロウズ翻訳で山形浩生から駄目出しされまくったことで有名だが。この本の翻訳についても、『ディック わが生涯の弁明』の大瀧啓裕の訳者後書きで、糞みそにけなされているね。2012/07/29
aabbkon
0
・ディックの狂い方はグノーシス 「チベットのモーツアルト」のドン・ファンの考え方とは全く違う。 ディックは現実を疑い、真実を求めた。嘘、さらに嘘のまがい物(フェイク・フェイクス)を考えた。しかしたどり着いた答えはつくりだした真実かもしれない。「ジョープロタゴラスは死なずに地球で生きている」では主人公は虚構の世界で満たされて生きていくことを選ぶ。ディックはこの主人公を誰に設定していたのか・ 「私はこの数年間、ますます次のような思いに駆られています。ある日まったく見知らぬ女性から…中略…重々しく告2009/11/29