内容説明
あの金田一耕助が帰ってきた!本書には、名作「貸しボート十三号」の他、シリーズ後期の傑作「迷路荘の惨劇」の短篇版「迷路荘の怪人」等、全8篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
42
横溝正史!ということでここより先の感想は礼賛にしかなりません。短編集だが主に収録されているのは長編の原型になった作品が多い。長編として以前読んだのもあるが、また違った味わいがある。『白と黒』は初めて読んだの中学時代だが何故か「Ladies and gentlemen~」だけは覚えており、ここで再会した時には思わず涙ぐみそうに。全体的に長編の様なおどろおどろしさはないものの、台上の首とか半分首を切断された死体、謎めいた肖像画と横溝作品に通底するものは多々含まれている。なにより金田一に会える!それだけで満足。2013/10/30
青蓮
14
久しぶりに横溝作品を読みました。本書は原形作品群ということですが、私はまだ横溝作品をそれほど読んでないので、それぞれの作品がどう昇華しているのか比べることは出来ませんが、どの作品も楽しく読みました。金田一耕助の飄々とした雰囲気がグッときます。作品に書かれた時代の風俗が反映されていて、今では遠くなった昭和初期の面影が妙に懐かしいような感じがしました。またポツポツと金田一シリーズを読んでいきたいです。2013/11/26
みかりん
5
面白かった。迷路荘の怪人だけ 長編読んでいたので 他の話も読み比べしてみたいです。2017/06/16
yukiko.k
2
金田一耕助シリーズ短編。 迷路荘の怪人は、先に長編を読んでいたせいか少し物足りない感もあったけど、一冊を通して面白く読めた。2023/02/26
黒猫トム
2
Y先生の、短編を中・長編に書き直す癖、という話を初めてまともに聞いたが、その元となった短編を集めた本だというから驚いた。キイスで言うと「心の鏡」みたいな本だ(分かる人だけニヤってくれい。おいさんは中編の方を先に読んでしまったから贔屓したいんだよ) どれも大衆小説寄りというかエロ・グロ度が高めだなと感じた。そして巻末の金田一耕助と金田一京助先生との関係がより深く語られている部分も必読だと思う。瑞穂先生はどう思っているのかなとどうでもいいことを思った。2018/10/11