出版社内容情報
財政状況悪化の中、芸術支援をとりまく状況は厳しい。本書は兵庫県立芸術文化センターの成功事例を基に具体的事例を詳細に分析。公共文化施設の方向性とマネジメントの成果を検証する。佐渡裕との対談を掲載。
成功した文化施設(劇場)はどこが違うのか。優れたマネジメントの成果を検証する。
財政状況悪化の中、芸術支援に対する見直しが進み、事業評価や効率化、指定管理者制度の導入等、公立文化施設をとりまく状況は厳しい。今後地域文化政策を進める拠点文化施設(劇場)をいかに活性化し、地域に貢献するものにするか、優れたマネジメントとその成果の検証が求められている。
本書は、劇場づくりの一般論ではなく、「兵庫県立芸術文化センター」というブランディングに成功したまれな事例を基に、劇場の活動と、その受益者である観客の行動、納税者の意識など、社会的影響力を多重的に読み解き、マーケティングの具体的事例を盛り込みながら詳細に分析し、公共文化施設の活動のあり方について方向性を示す。
佐渡裕(指揮者・同芸術文化センター芸術監督)との対談を掲載。
第一章 地域の劇場
公立劇場発展の歴史/公立劇場が抱える課題/地域文化的拠点としての劇場
第二章 復興のシンボル:兵庫芸術文化センターの創設
設立経緯~震災復興のシンボル/目的・ミッション/公演活動~地域とともに
第三章 劇場マーケティング
マーケティングの実際/チケットを売り切る/課題と将来の方向性
第四章 制作の現場から~オペラ・カルメン
舞台制作とは/実際の制作プロセス/制作上の課題/兵庫におけるオペラのマーケティング
第五章 兵庫芸文センターの観客
芸文センターにやってくる人たち/なぜ来るのか/なぜリピートするのか
第六章 県民にとっての劇場
劇場の価値とは/芸文センターの便益推定/サポーターはどこに
第七章 対談 林伸光×佐渡裕
【著者紹介】
垣内恵美子:政策研究大学院大学 文化政策プログラム教授、プログラム・ディレクター。
政策研究大学院大学教授。東京大学法学士、シドニー大学経済学修士、東京大学工学博士。文部省入省後、文化庁文化政策室長、一橋大学教授などを経て、2004年より現職。パリ大学、トリノILOセンターなどで教鞭を執るほか、国土審議会政策部会委員など。著書に『文化財政策概論』(共著、東海大学出版会)、『文化的景観を評価する』、『フランスの文化政策(監訳)』(いずれも水曜社)など。2002年度日本都市計画学会論文奨励賞受賞、2009年度計画行政学会論文賞受賞。
目次
第1章 地域の劇場
第2章 復興のシンボル
第3章 劇場におけるマーケティング
第4章 制作の現場から オペラ・プロデュース
第5章 兵庫県立芸術文化センターの観客とは
第6章 県民にとっての劇場
第7章 劇場は、みんなの広場 特別対談
著者等紹介
垣内恵美子[カキウチエミコ]
政策研究大学院大学教授。東京大学法学士、シドニー大学経済学修士、東京大学工学博士。文部省入省後、文化庁文化政策室長、一橋大学教授などを経て、2004年より現職。パリ大学、トリノILOセンターなどで教鞭を執るほか、国土審議会政策部会委員など。2009年度計画行政学会論文賞受賞
林伸光[ハヤシノブミツ]
兵庫県立芸術文化センター、ゼネラルマネージャー。神戸大学経営学部卒業。朝日放送(株)入社、事業部で音楽事業を担当。1982年、ザ・シンフォニーホール開館準備より2003年まで、21年間ホール運営、自主事業、海外音楽団体招聘事業などを担当。事業部長を務める。2003年10月より現職。神戸大学、神戸女学院大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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