内容説明
古書は、記憶装置である。封じ込められた“過去”をほりおこし、それを“現代”に照らし返すと、驚くほど立体的な知識や情報を得ることができる。本の町・神保町に足を踏み入れて50余年、古書探しの達人であり、古書読みの名人である著者による、実践的・古書の愉しみ方入門。
目次
古本屋探偵、神田に現る
書窓漫録(“第七部隊”の跳梁;海鳴りの記憶;興亡の岐路;笑顔に優る化粧なし;クマは語らず ほか)
書林探訪(ルビ廃止の先駆者;正月の古本屋;本末転倒の話;愛書家のほろ苦い日々;もう一つの赤穂事件 ほか)
著者等紹介
紀田順一郎[キダジュンイチロウ]
評論家、作家。1935年、横浜市に生まれる。慶応義塾大学経済学部卒業。書物論、情報論、近代史などを専門として評論活動を行うほか、創作も手がける
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感想・レビュー
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N.K
1
古本屋で見つけた、紀田順一郎先生の書評集。珍しいタイトルだと思っていたのだが、検索かけたら山ほど本が引っかかって少しびっくりした。書評、侮り難し。古本屋探偵の作者らしい神保町の解説と、古い雑本の解説がしてあります。当時の文化や思想に対する考察が加わって、面白いです。こういう本を読むと、読書家や作家という人達は、知識が豊富だなぁ、とつくづく思います。2013/12/16
inami
0
一口にいえば、古書はほかの媒体に比して遥かに奥深いものを備えている。他メディアが平面的で一過性なものであるのに比べると、古書店や展覧会に並んだ本にはいわば時間という付加価値がプラスされ、立体的、縦断的な情報となるため、新刊書とは異なる知的刺激を受けるように思える。2016/12/25
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