内容説明
静岡県、東名高速三ケ日インター付近で起きた深夜の八重衝突。この事故で妹を失った鷹野浩司は、妹の突然の車線変更が事故原因だと知らされ不審を抱いた。なぜ、慎重な妹が?真相を明らかにすべく調査を始めた鷹野は、事故車両から宇宙服のような防護服に身を包んだ人物が逃走したという目撃情報を得る。次第に明らかになる東海電力「静浜原発」の大規模放射能洩れ事故、そして原発利権に群がる企業と政治家による隠蔽工作。新聞記者宮沢恵子、事故で被曝した合田耕三の協力を得て、鷹野は孤独な闘いを挑む…。原発事故、隠蔽、利権。原発建設に絡む産官癒着の暗部を鋭く抉る「文芸賞」受賞作家による瞠目の長篇ミステリー。
著者等紹介
渥美饒児[アツミジョウジ]
1953年、浜松市生まれ。日本大学文理学部社会学科卒業。1984年、第21回文芸賞を『ミッドナイト・ホモサピエンス』(河出書房新社)で受賞。他に著書として『孤蝶の夢』(作品社)、『ジョン・レノンをめぐる旅』(日之出出版)がある
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感想・レビュー
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おふねやぎっちらこ
1
浜松地域が舞台なのでロケーションがよくわっかて早く読めた。2002/09/30
Celeste
0
主人公は事故死とされた妹の死の真相を究明しようと動くうち,原発メルトダウンを隠ぺいしようとする動き,背後にある原発を巡る巨大利権の問題にぶつかる。 図書館で借りて読んだが,最近タイトルを変えて文庫化されたらしい。 原発という利権の塊,それを巡るドロドロした動き。実際にもこんなことがあるんだろうなあ・・・と思いつつも一気に読ませる本だった。途中で出てくる「これはジャパン・シンドロームだ!」の言葉に大いに納得。 2012/09/30
ノメ
0
ひたすら妹の無念を追及する主人公。検察と権力の攻防などよく書かれている。2011/06/10