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内容説明
故国ルーマニアの運命とみずからの亡命体験を軸に第二次世界大戦前夜から戦後にかけての十二年間の歴史の迷宮を描いたエリアーデ文学の金字塔。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベイス
55
『聖と俗』『世界宗教史』の宗教学者エリアーデがどんな小説を書くのかと興味本位で手に取る。会話の途中で場面が飛んだり話者が入れ代わったりとかなり不思議な錯覚にとらわれる。あたかも宗教体験かのような…。幻想小説と言われるらしい。第二次世界大戦下、歴史に飲まれていくルーマニアと、まさにその歴史的時間軸からの逸脱を希求する主人公。ロシアとナチとの狭間で迷走する祖国の政治情勢が彼らの運命も巻き込んでいく。戦時中、極右組織に傾倒していたともされるエリアーデが、戦後にこうした小説を書いていることの複雑さよ。2023/02/14
帽子を編みます
17
この本好きなのです。でも、登場人物が沢山で、すぐに場面が切り替わって、話の筋道は見えないし…。人には勧めづらいなぁ。あの平野啓一郎氏が推薦する位なので、我慢して読むと下巻には虹が夜空に渦巻いて駆け上がるような景色(心象風景です)がもうすごくて、そのカタストロフィを味わいたいのです。読むコツは、シュテファンをとにかく美中年に、周りの女性もタイプの違う美女に設定、退屈なところは流してください。私は、ヴァダストラが苦手で難渋しますが、でも、知ってます、何が起きるか知ってますから。と思わせ振りに下巻に続きます。2020/06/08
sibafu
6
理解や常識の外にある小説だった。自動車が魔術みたいになくなり、恋愛の話かと思っていたら戦争や政治の話になり、空襲に巻き込まれ女スパイが出てきて自分もスパイ容疑で尋問にかけられて、一巻目の最後は痴話喧嘩で終わる。一体なんだったんだこの本は、と理解が追いつかない。おそらく現実的に戦争が日常と溶け込んでいた時代、土地。1941年頃のロンドン大空襲(通称、ザ・ブリッツ)の場面はその破壊と恐怖と現実逃避にとてもリアリティがあって読みごたえがあった。戦争の物語ではないが日常を書くことが戦争を書くことなのだろう。2014/08/09
takao
2
ふむ2024/04/16