内容説明
絶滅収容所の生き残りユダヤ人、元ナチ親衛隊員等…、38人の肉声で再現した“大殺戮の日常風景”。ユダヤ人大虐殺“戦慄の真実”。
目次
絶滅収容所の死体―どのように隠されたのか?
移送列車―いかに収容所へと向かったのか?
収容所到着―いかに死と生は選別されたのか?
ガス室―どのように送り込まれたのか?
ガス・トラック―どのように村人は眺めていたのか?
生還者たちの苦悩、ガス室の内と外
絶滅収容所の、抵抗運動と挫折
滅びゆくワルシャワ・ゲットーの、日常風景
ワルシャワ・ゲットーの、蜂起と終焉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
27
Holy f@*k!うなってしまった…。なんですかこのものすごい本!全長ほぼ10時間(Youtubeで見られます…言葉わかんないけど)、渾身のリサーチはまさに肛門期性、ものすごい執着です。ホロコーストという言葉は使わず、ヘブライ語をラテン文字に変換した「SHOAH」という言葉をユダヤ人大量虐殺を表現する単語として採択。その理由は解説に詳しく、うなりました。痛いです。けれど、やっぱり知らなくてはいけない。原著は未読ですが、翻訳に情熱を感じました。2017/11/14
まると
21
これはすごい本だったなあ。立花隆さんが佐藤優さんとの対談で厳選推奨の200冊の中にラインアップしていたのを見て購入し、一気読みした記憶があるが、とにかく圧倒的でした。ホロコーストを知る上で欠かすことのできない一冊と思います。その後購入したDVDは途轍もなく長過ぎて(確か10時間弱)何度かトライしたが半分も見ることができていません。訥々と語る当事者のインタビューが衝撃的だったが、言葉にならない沈黙の映像もまた、多くを語っていました。79回目の終戦を迎えるこの夏、今度こそフルで見てやろうと決意を固めています。2017/02/03
五月雨みどり
17
自分のイメージでは,収容所に送られ劣悪な住環境と乏しい食料と過酷な肉体労働の末に餓死・病死・ガス室送り…という印象が強かったが,着いてすぐに機械的に粛々と理路整然と殺されていったのか。なぜこんなに惨いことが罷り通っていたのだろう。二千年前にユダヤ人がキリストに死刑宣告した時「その血の責任は我々と我々の子孫の上にかかってもよい」と言った,などという描写が出てくるが,その咎は未来永劫続くものなのか。罪とは罰とは生贄とは贖いとは何か。人間として生まれ生きて死ぬ限り,このような縛りから逃れる術はないのだろうか。2020/07/19
shiman
17
Masaさん推薦により毎晩のように寝落ちしつつ約3週間かけてようやく終了しました。これは映像で観るべきものでした。同じテキストによる字幕であったとしても語る人の言葉でなければ読み取れないものばかりであり、それでも誤読の可能性を恐れる。「永遠の0」で思ったが、自分には近代の戦争を知るにはフィクションは馴染まない、極力ノンフィクションに近いものでなければと。2015/07/05
教育文化経営学院
7
できればやはり、映像で。でも活字からもわかることがある。必読。