目次
第1章 看取りの瞬間(看取りの瞬間に親子になれた、千代さん;心と心が重なる旅立ちの時…マサさんとの12年の歳月 ほか)
第2章 お金では買えない最期の贅沢…看取り士(しあわせな死とは;看取りの場面は奇跡の連続 ほか)
第3章 病院で死ぬしかない日本の制度(病院で死ぬしかない現実;家族が壁になる ほか)
第4章 平穏に死ぬための準備をしよう(60歳になったら必ず死の準備をする;看取りとは、ひと昔前に行われていたことを取り戻すこと ほか)
資料編 柴田さん頑張れ!!―医師との対談と医師からの応援コメント
著者等紹介
柴田久美子[シバタクミコ]
島根県出雲市生まれ。日本マクドナルド(株)勤務を経てスパゲティー店を自営。平成5年より福岡の特別養護老人ホームの寮母を振り出しに、平成14年に病院のない600人の離島にて、看取りの家「なごみの里」を設立。本人の望む自然死で抱きしめて看取る実践を重ねる。平成22年に活動の拠点を本土に移し、現在は鳥取県米子市で在宅支援活動中。新たな終末期介護のモデルを作ろうとしている。また、全国各地に「死の文化」を伝えるために死を語る講演活動を行っている。現時は一般社団法人なごみの里代表理事、介護支援専門員、吉備国際大学短期大学部非常勤講師、神戸看護専門学校非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ニッシャ
5
考えさせられる内容です。 星3つ⭐️⭐️⭐️2020/01/21
rubyring
1
死を不幸とすることで人生全体が不幸なものになってしまっている現代社会に、幸せな人生を取り戻すには、かつての日常生活のなかに死が組み込まれていた文化を取り戻す必要がある。死を看取る経験から伝えられる内容は、死によって人は浄化されていくこと、残された者たちに力を与えていくことなど、死に対する観念の一変である。死を受け入れるための「内観」にも注目。現代人の必読本と思う。2016/06/05
かよこ
0
先日いきたひというドキュメンタリー映画を観たときに初めて知った看取り士の柴田久美子さん。 私の死のイメージをより温かいものにしてくれた。生と死は医療ではなく、暮らしの中にある。大切な人たちとお別れして身体から抜けて自由になる。いつかこの世に身体を持ってやって来たのと逆なだけ。人は死を受け入れた時に仏さんになる。そこから放出されるたくさんのエネルギーを命のバトンとしてもらい、より良く生きていくという綿々と続く人の命の素晴らしさを確固としたものにしてくれた。ありがたい。2016/08/08
okatake
0
自ら「看取り士」と名乗り始めた彼女。そのきっかけは幼い頃の父親の死に立ち会えたことです。ただ、看取り士などと名乗らざるを得ないということは現在の死の様相を示しています。「生」はプラス、「死」はマイナスではなく、一人ひとりの命の始まりと終わり、そしてその命は一人の線から引き継がれつながり面となっていく。一人の命が大きな広がりをもっている。そのひとつの面を担っているのが著者たちの活動なのかな。豊かな死、肯定的に見る死を考えていくことができる良書です。2016/01/19