奇景の図像学

奇景の図像学

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  • 商品コード 9784877380069
  • NDC分類 704
  • Cコード C0095

内容説明

人間の想像力の奇妙さ、不思議さ。主要図版160点余収録・本文2色刷。奇妙で摩訶不思議な中国の山水画、ポルノ画、庭園、地図、太湖石、桃源郷、風水墓、覗きからくり、怪獣、怪物等の「謎」を図像学的に考察・解明し、人間の想像力の奇妙さ、不思議さ、無限性に想いを馳せつつ、「時間」という巨大な謎へと向かう、果てしなき思考の旅としての最新エッセイ。

目次

1 奇景漫歩(内臓の風景;謎の西洋楼 ほか)
2 スウィングする園林(シナふうパゴダの恐怖;鞦韆のシンボリズム ほか)
3 風景のプレパラート(法螺のある風景;二つの方位軸について ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コットン

64
変わった空間論的・図像論的エッセイを集めた本。例えば骸骨の盆栽とか骸骨ダンスの絵や、鞦韆(ブランコ)は中国では女子だけの乗り物で明清時代の春画にはブランコを使用したものが多いとか、シドニーの本屋で世界地図をひっくり返してオーストラリアを地図の上部中央に位置するようにしたものがあったりと、かなりマニアックだけれど底流には人間に潜む精神の揺らぎみたいなものを白日の下に晒す試みが成功していて面白い!2013/06/09

藤月はな(灯れ松明の火)

27
絵ではなく、その周辺や余白に描き込まれた図表を歴史的、文化的、社会的に読み説いた評論。少々、読みにくい文体ですが文章を縁取る飾り絵に隠されたカニバリズム、オリエンタリズムを取り込んで現在の形態となったドラゴン、岩のような樹木、鞦韆(ブランコ)と春画の関係性など興味深いことがたくさん、書かれていました。2013/06/21

gollum

4
博覧強記な中野先生の1990年代の空間論・図象論エッセーを集めたもの。いったい先生の頭の中はどうなっているのかと思うほど、興味の対象が広い。満載された建築物の写真、絵画・図に秘められたシンボリズムをばっさばっさ?と解き明かす。「内臓の風景」「ダンス・マカーブル」「余白のカニバリズム」「鞦韆のシンボリズム」…俎上の全ての題材がくらくらするほどおもしろい。”春宵一刻値千金”のラスト一行にそんなエロな意味があったなんて。この本、iPadアプリにしませんか? 図の細部をピンチアウトしたくなったことが何度も(笑)2012/10/09

グラコロ

3
中国ものならこのひと。いつも豊富な図像がついていて楽しい。 グラコロ堂〈人生で影響を受けた100冊〉 https://bookmeter.com/users/626279/bookcases/115521731997/04/30

つだしょ

3
文体がなぁ…。とりあげられている内容は、自分なりに調べてみようと思えるぐらい突き抜けて裏返される感覚があった。かねてから、中国の山水画に意識が侵されているくせに、リサーチを感覚的なものに限っていて、一切文献にはあたらなかったので、きっかけにできる。「スウィングする」とか「プレパラート」などの選びは好き。「鞦韆(しゅうたつ=ブランコ)」は確かにエロい。これまでの美術史から逃げるような視点は基本だが、それだからこそよりいっそう欧米その他との大胆な比較が待たれる。中国が専門分野の著者はその適任か。2013/04/26

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