内容説明
20世紀は巨大な自殺者製造工場だった。文豪ヘミングウェイの口腔に響いた銃声。永遠のセックスシンボル、マリリン・モンローの仕組まれた自死。独裁者ヒトラーの静かな最期と遺体の行方。自ら「毛沢東の犬」と宣言した妻・江青の首吊り…。彼らの死に迫ることは、時代を探ることに他ならない。20世紀を代表する144人、衝撃のドキュメント。
目次
ジャック・ロンドン―夢と欲望に生きた「冒険作家」の波乱の生涯
ジャンヌ・エビュテルヌ―一途な愛を貫き通した「モディリアーニ」の恋人
セルゲイ・アレクサンドロヴィッチ・エセーニン―イサドラ・ダンカンとの恋の果てに散ったソ連の詩人
ウラジーミル・ウラジーミロヴィッチ・マヤコフスキー―熱狂の中で「革命」を謳い続けた詩人の「一巻の終わり」
ヴァージニア・ウルフ―狂気に震えながら未知なる魂を求め続けた女性作家
シュテファン・ツヴァイク―はるか南米で命を絶った「絶対的平和主義」のオーストリア人作家
シモーヌ・ヴェイユ―大戦中に「純粋のきわみの死」を遂げたフランスの女性哲学者
アドルフ・ヒトラー―二十世紀最大の独裁者・犯罪者だったナチス総統の「自殺の真相」
アーシル・ゴーキー―「暗く不幸な運命」に呪われたアルメニア人画家
アラン・マシソン・テューリング―電子計算機の歴史に名を残す天才数学者・数理科学者〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ndj.
8
こんなタイトルだから興味本位で読まれがちかもしれないが紛れもない良書。取り上げられているのもヒトラーやヘミングウェイなどの有名どころからシュテファン・ツヴァイク、シルヴィア・プラス、シモーヌ・ヴェイユ(彼女の死が自死であるか否かはさておき)など硬派。「狂気にも死にも至らない生とはなんだろう(解説)」の通り、自ら命を絶つほどに自らの命を愛した人々の熱さを感じる。2016/11/05
樽
1
死なれてしまった、死なせてしまった、残された私達にこそ理由は必要だということを改めて痛感。2010/12/03
あ
0
参考にしたいのでもっと無能な自殺者も扱ってくれ、2017/04/05
ケンサク
0
自ら死を選んだ海外の著名人の人生を綴った評伝集。描かれた全ての人間から感じるのは「危うさ」だ。それがあるからこそ、みんな「何者か」になれたのだろうし、同時に自殺という選択をしたのだろう。もし、彼らが今の時代に生まれたのなら? 自殺を選ぶ可能性は低くなるだろうが、同時に「何者か」になれる確率も低くなるだろうと思った。自殺の意味合いは時代や社会によってまったく違ってくる。しかし、どんな状況でも自殺を選ぶ人間が出てくることの不可思議さといったら……。果たしてこの長い歴史の中で、人類はどのぐらい自殺者を出してきた2012/01/22