内容説明
「私はいずれ有名中学から高校へと進み、東大卒業とともに華々しく文壇にデビューするはずであった。だがしかし、なぜか予定が狂った。予定通りに有名中学に入った私はそのとたん、ドロドロの不良少年に変貌し、すさまじい勢いでドロップアウトしてしまったのである」―直木賞作家が二十代に体験した嘘のような本当の日々を顧みる幻の懴悔録。
目次
ガキのつかいじゃねえんだ
急募・出張ホスト。自信有ル方
社長をハメる。資金ゼロの怪商売
保険金サギのさらにウワマエをはねる奴
意外や意外、新入りは銀行強盗
赤坂二丁目豪華極道マンション
オトシマエは「てめえの体で払え」
銀座黄金伝説・幻の一千億円
「ピスケン」と呼ばれたヒットマン
いよいよ来た「浅田をぶっ殺せ」〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ken_sakura
37
気軽に読めて面白い(^_^)どこまで本当かは深く考えない(^。^)著者が人を嵌めて金を取る金融ヤクザ?だった頃のお話。著者の沙高樓奇譚を思い出した。エッセイなのかな。1編が10ページ程の17編。2019/04/20
カーミン
24
作者の懺悔録と書かれてあることは、ある程度は本当のことなのだろうが、どうもかなり「盛っている」感がある。浅田次郎ほどのヒットメーカーになれば、1つのことを10倍に膨らませて、さらに面白く味付けするのはお手の物ではないだろうか。とはいえ、読んで楽しいことが一番だから、この作品は大成功だと思える。自衛隊話も面白いが、反社会的勢力の話も面白い。2017/04/23
ちばと~る
21
浅田次郎先生の記念すべきデビュー作エッセイ!!準ヤクザの企業舎弟時代のあれやこれやの笑いの渦が凄まじい!!けどいいのか?コレってほとんど犯罪指南書じゃんかwのちの『シェヘラザード』や『日輪の遺産』の元ネタになったと思しきエピソードも収録されてますんで浅田ファン必携の一冊っすね。アパレル時代のお話は他のエッセイや直木賞受賞作『鉄道員』なんぞを読むよろしw自衛隊時代わ『歩兵の本領』がオススメ〜2013/05/07
きのこ
18
面白かった。ザギンのクラブで2代目若社長をおちょくるシーンや、4日4晩の徹マンのくだりでは、おかしくて可笑しくてくっくと笑をこらえるのが大変でした。解説も良かった。2018/02/15
シュラフ
14
どんびきの一冊であった。浅田先生は若かりし頃は反社会勢力の一員だったんですね。そんな人が どうして 『鉄道員』とか美しい小説を書けるのか、とても不思議です。でも内容的には面白かったな。世の中には多くの怪しいことがあるが、その裏舞台は色々と仕掛けがあることを知る。ずいぶんと賢い奴らがいるもんだと本当に感心するね。でも 浅田先生 色々と書いてますが、できればすべて脚色であれば浅田ファンとしては嬉しいですね。若気の至りとはいえ、人を騙すってのはいけないよね。2013/07/02