内容説明
登場人物の性とプライドとトラウマが現代日本の光と闇に溶けて消えていく。あしたは、朝が来ないかも知れない…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mura_海竜
53
【読みたい本読了】性と暴力。ひとつひとつの短編が人物を介しつながる。テンポよく拝読。海外で単身赴任でいたときは読み漁った龍さん。未だに分かっていませんが、母は村上龍さん結構好んで読んでいたんです。もう亡くなって聞くこともできませんが。2016/06/10
りえ
10
登場人物が少しずつ交錯しながらリレー式に物語が展開していく。登場人物はあるきっかけで頭がおかしくなった人とか、家庭の事情ですごい孤独の女の子とか、暴力をふるう・ふるわれるなど、どこかが異常な人たちだった。現代社会の閉塞感、孤独感、精神的空洞を小説で表現している村上龍さんの作品は素晴らしいと思う。2015/05/15
貴
8
坂本龍一さんのラストコンサートを聴いています。とても悲しく、心が辛くなります、そんな気持ちを受け入れるしかないですね。「絶対的に幸福な人というものは存在しない」と書かれていました今はそれが正しいく感じます。『ジムノペディ』が流れ始めました。2023/04/21
ローリー
8
図書館で借りました。新刊コーナーのすぐ横にあったので、無料通話アプリのLINEを扱った最近の小説かと思って借りましたら、もう20年近く前に出版された本でした。主に章の前半と後半で主体が入れ替わっていくリレー形式とでも言うのでしょうか、この先この人はどうなるのだろうかとか、そう言ったことを全部すっ飛ばして、この一瞬だけを記述したら次の人へとどんどん話が進んでしまうし、その話自体もどうでもいい身の上話とが暴力的な記述や性的な事柄が続くので、だんだん気持ち悪くなってきてホラーを読んでいるような気分になりました。2016/08/11
ハタ
7
★★★★☆ 語り手の話に登場する人物が次の語り手となって、様々な人間が繋がり、物語が描かれる。面白かった。登場人物たち皆がぶっ飛んでる。一人一人のストーリーが濃いのが良い。一人の男から辿った人間達皆がこんなオカシイ奴らばっかりだとしたら世の中怖すぎる。これだけたっぷり詰め込まれてれば、完全にお腹いっぱいになれる。満足できる作品だった。2017/03/29