やさしさは愛じゃない

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  • サイズ A5判/ページ数 1冊(頁/高さ 22cm
  • 商品コード 9784877281144
  • NDC分類 911.56
  • Cコード C0072

内容説明

ある夏の日に、このコラボレーションは始まった。それはその後、1年におよぶ。女たちの呼吸を感じながら、写真と詩はからみあい、反発し、戦いつづけ、女たちの荒々しい情念を浮きあがらせる。―写真家とモデルと詩人が辿った闇と光。かけがえのない写真詩集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hope

33
鬼才と異能の鬩ぎあい。ひりつくような感情は行き場所を見つけられない。噎せ返るような濃密な湿気の中の、残酷に乾いた剥き出しの欲望。 《以下一部引用》 やさしかしかなかったんだね、 でもやさしさは愛じゃない。 やさしさはぬるま湯、私はふやけてしまったよ。 ひっぱたいてくれればよかったのに、 怒り狂ってほしかったのに、 殺してもよかったのに。2019/02/25

キジネコ

33
キレイとか、不細工とか・・なんやろか。正常とか異常の境目はどこにある。恥ずかしいていう感情は どないな形したあった、世界は吾を映す鏡だらけや 好きなヒトと どんだけ抱き合ったかて 届かんもどかしさが 身の内側に残る。裸も唯の形やし、熱いとか、痛いとか、喜怒哀楽とか 嫉妬とか 己が肉のアッチコッチで反響してる正体不明の信号や、何かが見えた!分かったと、思えた瞬間があったとしても そりゃ目の錯覚、時の移ろいで居場所を変える幻や、形を捨てて灰になったらホンマモンに成れるんか?☛関西弁、続きます(^^ゞ2014/07/13

寛生

29
【図書館】荒木の写真に谷川の詩を重ねるーああ、何と言う業か。女性の体と詩はまさにずっと考えてきた哲学の《裸体》の概念についての想像力をかき立てる。この詩集は歓喜の声をあげさせるくらいのエロスの力に満ちている。谷川の詩は死にかけている《ことば》に息を吹きかけ生に満たそうとし、それはまるで《ことば》と谷川が性交をしているかのようでもある。性交にはある意味《死》を味わう行為であるといわれるが、谷川の詩は、詩でしか表現できない独特の息吹をことばにあたえ、《生と死》の境界線から読者に迫ってくる。本当に美しい本。2013/12/04

糸遊

11
谷川の詩と荒木の写真がぶっつかっている。お互いに荒々しく、愛と真っ向勝負しているような!ともに高め合うとか寄り添うのではないのだ。さて、荒木の撮る女性たちは、きれいとか、かわいいの一言じゃなくて、女の愛憎を正面からうつしてくれているかんじ。そこが彼のすごさなのかな。谷川の詩もいつもの優等生ぶってるやつと違ってまた良い。(だからこそ、優等生のらしい素晴らしく良い詩が書けちゃうんだろうな。)どちらも素晴らしきエロおやじ!!2014/02/22

ねじおさん

1
図書館で見つけて刹那的に読んでしまった。詩をじっくりと読んだことしかなかったから、ひとつの出来事みたいにあっという間に文字を攫うのは新鮮だったし、むしろこの本はそういう刹那を求めているような気もした。わたしはまだ経験したことがないけれど。うすっぺらな一枚に、凝縮されたどろどろな熱量だった。写すことで熱は永遠になる気がする。とてもよかった。2021/12/12

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