内容説明
春の午後、ひとりの主婦が惨殺された。難航する犯人捜査があらわにする人々の心の奥底にひそむ哀しみと、悦び。心の迷宮をたどり、人生の願いを問う最新長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美雀(みすず)
25
宮本輝作品としては珍しい、殺人事件が出てくる。推理小説かな?と思いきや、それほどでもなくて読みやすかったです。中年の男同士の奇妙な友情に何故かほっこりしました。2014/01/02
星落秋風五丈原
11
うだつの上がらないサラリーマン、41才。早漏気味で一物にはまったく自信がなく、左の歯茎は歯槽膿漏の気があり、女房に時々口臭を注意されるような男が、酔った勢いでクラブの女と関係したら、女は同じマンションの真上の階に越してきた。結婚して15年の間一度も妻以外の女と交渉を持たなかったのに、今や月に5万要求されている。そして産みたいのにできず、遂に子を諦めた妻のそばでふと「俺は何をいったい幸福と感じて生きているのだろう」と胸のうちにつぶやく1995/10/14
ジュースの素
6
宮本氏が40代後半の作品。珍しく殺人事件が扱われる。同じマンションや周囲の人たちは 警察の事情聴取に何度も駆り出され、それまで知らなかった隣人や 周囲の人たちの事まで知って行く事になる。誰もが事情や秘密を抱えて生きている中、人には何が大切なのかを問いながら進行する。最終抄を書く時に 阪神大震災が起こり、人間の誇りや幸福は何かとしみじみ考えたと宮本氏は述べている。2017/06/20
Cinnamon
4
図書館本。マンションの隣家で殺人事件が起こる。それぞれ後ろめたいことがあるマンションの住人は、疑心暗鬼に悩まされながらも、幸福を求めて生きている。2016/11/08
ちょん
2
こんな宮本さん、初めてって感じでした。 サスペンス?ん~。。 いつもと違う。 内容(「MARC」データベースより) 春の午後、ひとりの主婦が惨殺された。難航する犯人捜査があらわにする人々の心の奥底にひそむ哀しみと、悦び。心の迷宮をたどり、人生の願いを問う最新長編小説。人間にとって幸福とは何なのか 2011/01/31