感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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「結合する前に、まず一旦きれいに分離すべきである」という有名なテーゼを提示した『無産階級の方向転換』が収録されている。正直、頭が悪いので今読んでもさっぱりなのだが、社民的な迎合主義を排して「前衛党」としてまず先に「純化」=「分離」することを緊急の課題としたことは「俗情」と慣れ合うことで結果的に後退戦を強いられることになる悪循環を「切断」しようとしたと言える。同時に、何処までも「大衆」から遊離してゆくような観念的な、極左浪漫主義的なものが、後のマルクス主義運動の方向づけをほとんど決定したと言って良い。2019/04/06