内容説明
アリは本来が遠心的であるのに対して、われわれ人間は自己中心に生活しなければ生存できない、宿命的なエゴイストなのだ…と、目の前の小さなアリたちがくり広げる光景を観察するメーテルリンクは説く。くわえて「倫理の基本が逆転している」と、こたえを見い出す。蜜蜂においては「巣の精神」を、白蟻においては人間社会の未来を、そして蟻に出会うことから、この地球にくらすすべての「生命の普遍性」を考察する。
目次
序 蟻類学の予感
1章 アリ社会の部分と全体
2章 アリ塚の神秘
3章 都市の建設
4章 アリの住居
5章 戦争
6章 伝達と方向感覚
7章 牧畜
8章 キノコ栽培アリ
9章 農業アリ
10章 寄生者