出版社内容情報
■書評
不思議な本だ。十七世紀フランスに、カトリック教会から正式に「悪魔憑き」と認定された、マリー・デ・ヴアレという修道女がいた。当時、悪魔は本当に存在していると信じられ、精神異常は、しばしば悪魔に憑かれたのではないかと考えられた.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』より)
内容説明
本書は、聖女たちや聖女になり損ねた女たちを通して、いわゆる宗教や教義を超えた「聖性」指向の生む力の秘密に迫ってみようとしたものだ。健康で清潔でまっとうな生き方でなくても、病気で異常で過剰で危険な生き方にだって、それぞれの救いに達する権利がある。
目次
1 聖者に尊敬された悪魔憑き―マリー・デ・ヴァレ(1590‐1656)の物語
2 イエスと心臓を取り替えた聖女―マルグリット=マリー(1647‐1690)の物語
3 狂気をパフォーマンスにした修道女―虚無のルイーズ(1639‐1694)の物語
4 ルーダンの悪魔憑きの銀河系―天使のジャンヌ(1602‐1665)の姉妹たち
5 ヴェルサイユの聖女―ルイーズ・ド・ラ・ヴァリエール(1644‐1710)の物語
6 超能力の聖女―アニエス・ド・ランジャック(1602‐1634)の物語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるでがると
0
いかにもバロック的なゆがみと過剰さを持った女性たちのエピソードは、あまり予備知識がなくても楽しめる(彼女たちは「聖女」ではないと思うけれど)。興味本位だけで読んでいけるところも多いので、読みやすいのではないだろうか。竹下さんの本は興味深い知見に富んでいるので、一回学術書の体裁でこれまでの研究を総括してほしい。2012/09/12
春色
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文章の硬さが一定しない謎の本。窮屈な世界に閉じ込められた女性たちの過剰な表現は、彼女を時に聖女にし、時に魔女にした。/章は時系列に並べて欲しかった。2010/10/08
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