出版社内容情報
情報論の西垣通、精神分析の香山リカ、クレオールの今福龍太、禅哲学の上田閑照、文化人類学の岩田慶治、東洋思想の三浦國雄ら総勢10名による円相の多様なイメージが展開。
目次
1 自然と円相―円を発想の基本にして自然の諸相を読み解く。
2 脳とコンピュータの円相―「脳を考える脳を考える脳…」情報幾何学の円相を探る。
3 情報と円相―自己言及的な生物社会をめぐる情報の円環構造。
4 分裂病の円相学―全存在をかけて、こころの円環を閉じるとき。
5 混合体と円相―動き、味わう、身体が知覚するクレオールの道。
6 円相と空間秩序―東アジアの国々の脈打つ風水の空間秩序形成技術。7 マンダラと円相―「花と壷」―豊穣と再生を支える二つの円相
8 円相の人類学、あるいは円相の中の時空―ここがそこであり、生と死が同時に見える場所の不思議。
9 円相と太極図―万物生成のダイナミズムを内包する太極。
10 円相と十牛図―「花が咲き、川が流れる」無我の境位から、存在が開かれる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青木潤太朗
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円。というものをテーマにして化学から工学はもちろん、医学の世界にまで切り込んでいく非常にユニークな一冊でした。ふらふらと蛇行するようにあらゆる分野の科学者の意見、研究を読むことができ、しかもどれも、読みやすい。なにより、純粋に楽しかった。そして資料として極上すぎました2013/06/05
Kenji Suzuya
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「円相」をテーマにした某所でのオムニバス連続講義。こういうのにありがちなことに、テーマとはほとんど関係なく自分の専門を喋っただけのものもちらほらあって正直期待はずれ感が満載だった。ただ、ごくごくわずかではあっても期待通りのものがあればそれでよいといえるのかも。2012/07/20
とまる
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自然の中に溢れているのに正確に描くとなると精密さが必要になる形。それは一見対極にある物を繋げる存在。2011/08/24