内容説明
いったい情報とは何なのか。数学は思考の役に立つのか。人生や想像力に限界はあるのか…。奇才ラッカーが、数学の大テーマである「数・空間・論理・無限」を最先端の情報理論で楽しく料理してみせる、思考のアクロバット・ショー。
目次
序章 五つの思考形態
第1章 数
第2章 空間
第3章 論理
第4章 無限と情報
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
3
コンピュータは数を世界の表現から世界の構成素に変え、リアリティの鍵は数学が握ることになったといわれる。情報の成り立ちを、数、空間、論理、無限を経由して5つの数学的リアリティとして提示する本書は、「単一の数学的空間に結びつける」近代遠近法と、「平面的な仕切り」に「数に似た暗号コード化するための像」がある中世絵画を並列させるようにして、「魔術化」「中世化」と称されるIT化したリアリティの道具立てを辿るかのようだ。この場合、道具とはモノではなく観念だが、それらは次元を跨ぎ、量子的な振る舞いをし、無限に連なる。2018/10/11
サスケ
3
★★☆☆☆ SF作家ルーディ・ラッカーの本だということで古書店で購入。ヘーゲルの末裔で数学者だったとは。 現実をモデリングするための数学の観念をひもといているが哲学書のようでもある。 きらびやかで難解。 最終章「無限と情報」は唐突に終わっている感がある。この宇宙は圧縮不能な計算を実行している計算機のようなものだという結論で、言われてみると確かにそうかもしれないとは思うが違和感も残る。2017/03/31
toiwata
0
難解であった。加行が足りない。不思議な説得力がある文章をひとつだけ抜き書き。"しかしもし君が地獄に落ちる運命なら、不確かなまま永遠にそこに立ってることになる。"2015/04/02
adzu
0
当時は工作舎が好きだった。
zeroset
0
数学苦手だった自分には難物で、読むのに半月もかかったが、数、空間、論理、無限、情報の関係性を解き明かす論理が、すごく刺激的。2008/08/28