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出版社内容情報
丸山眞男が福沢の著作の恣意的な取捨選択と勝手な読み込みで、「福沢神話」を定着させたのかを、福沢の著作を用いて実証した労作。
内容説明
「国のためには財を失ふのみならず、一命をも抛て惜むに足らない」と主張し、大日本帝国の「お師匠様」を自負した国家主義者・帝国主義者の福沢諭吉。その福沢を「典型的な市民的自由主義」の思想家としてイメージを定着させたのが丸山眞男である。今も最高額面紙幣を飾る「福沢神話」の製造者責任を問う!
目次
1 福沢諭吉の「大日本帝国憲法」=「教育勅語」体制評価―丸山真男の無視した福沢の重要論説(“『文明論之概略』=福沢の原理論”の破綻を示すもの―連載社説「日本国会縁起」「国会の前途」;「大日本帝国憲法」=「教育勅語」の賛美と積極的肯定)
2 「大日本帝国憲法=教育勅語」体制受容への福沢の思想的道のり(福沢の忠孝思想―儒教主義「反対論」の中身;初期啓蒙期自体の福沢の限界と変容の兆し ほか)
3 初期啓蒙期・福沢の思想の見直し―「天は人の上に人を造らず…と云へり」再考(思想史研究の方法―丸山真男の場合;「天は…と云へり。」問題 ほか)
4 福沢諭吉をどう評価するか―近代日本最大の保守主義者の素顔と思想(素顔の福沢諭吉;思想家・福沢諭吉は転向したのか ほか)
資料 丸山真男の無視した福沢諭吉の重要論説(“『文明論之概略』=福沢の原理論”の破綻を示すもの;「大日本帝国憲法」=「教育勅語」体制の賛美と積極的肯定 ほか)
著者等紹介
安川寿之輔[ヤスカワジュノスケ]
1935年、兵庫県に生まれる。1964年、名古屋大学大学院教育学研究科博士課程修了。近代日本社会(教育)思想史専攻。宮城教育大学、埼玉大学教育学部、名古屋大学教養部・情報文化学部に勤務。98年、定年退職し、わだつみ会、不戦兵士・市民の会などの市民運動に参加。現在、名古屋大学名誉教授、教育学博士、不戦兵士・市民の会副代表理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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