内容説明
アヘン戦争によって「生まれた」香港は、中国に返還された今、どこへ行こうとしているのか―。香港の歴史をたどりつつ行く、混沌の街の新しい歩き方。
目次
1 英国が築いた植民地(水坑口街に翻ったユニオンジャック;クィーンズロードから始まる都市づくり ほか)
2 大陸難民が社会を発展させた(新蒲崗の工場街で振られた毛沢東語録;元朗と屯門の変貌 ほか)
3 日本占領の時代もあった(からゆきさん;ブラッククリスマス ほか)
4 マカオ(ポルトガルの「不幸」;澳門特別行政区)
5 路地を歩き人と会う(花市;玉器市場 ほか)
6 香港は、これから(雨中の返還式典;大陸に呑み込まれる ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
OKKO (o▽n)v 終活中
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図書館 ◆「マカオ」の章のみ熟読 ◆1999年マカオ返還直前、当時の朝日新聞アジア総局長が著す。ゆえに内容が古いが、一点、興味深い記述あり、それはマカオの今後の発展のために「カジノ経済からの脱却」が挙げられていること。マカオは正反対の道を歩んでいるが、この違いはいかなる経緯で? 問題意識のうねりはいかに? そしてマカオが進む道の向こうに何があるのか? 当時の文献を漁り知識人たちの見解を比較検討してみたい欲求 ◆あくまでも興味の中心は450年前のマカオなのだが、そこも知っとかないとマカオ博士にはなれんぞい2014/08/25
ishicoro
1
香港に行ってなんであんなに人が多いんだろ。と素朴な疑問が湧いたので手に取ってみた。元々は1万人もいないところから移民でたった100年ちょっとの間に700万人ぐらいまで膨らんだんすね。中国から逃げた移民が多く住む香港が中国に返還(併合)された結果どう変わっていくのか興味深いですな。週末に中環あたりで見かけるフィリピン人家政婦の集会は10年以上前からあったんすね。2015/12/23
nizimasu
1
香港の中国返還のタイミングで出された本。今読むと随分変わったなあというのが印象。でもほんの15年前までは、イギリスの植民地であり、かつては日本が占領していた事実があったというのは、ここ最近の中国と日本の関係を考える上でも、香港というのがある種の象徴的な場所ともいえる。そして、経済的な発展以前の香港の様子にも驚きが多かった2013/02/09
azure
0
図書館で自分のルーツである本を借りてみた。 懐かしい情景の描写はもちろんのこと、歴史について割いている内容が多く、勉強になった。 返還より2年後の本ではあったので、15年後の今を読むと確実に変わっている部分はある。仕方ないねー2014/02/11