内容説明
家庭内で虐待を受けた少女がたどった半生の魂の記録。子ども時代の体験は、精神の底深く、いかに人を支配しつづけるのか―。被害者自身のえぐるような自己省察を通して、傷ついた子ども時代をもつ人に、「回復」への勇気を問いかける。
目次
近親「相姦」だなんて冗談じゃねえ
第1部 嵐を生きた日々(記憶―子ども時代;中学時代・高校時代;アメリカ―“心の両親”との出会い;大学・結婚・離婚;模索―“私って、なんかへん”;許し―二度目の結婚;妊娠、うつ病 ほか)
第2部 被害者から見える風景(「いたずら」なんかじゃない、それは犯罪なのに!;「存在の安全」「存在の脅威」―児童虐待の本質;なぜ子どもは話さないのか;なぜ自分が悪いと思うのか;生きるにつれ苦しみが大きくなるとは ほか)
第3部 回復への希望(帰郷;私の前をあゆむ人;回復について;甦える魂;雪)
子ども時代の性的被害とサバイバル
医療の現場にみる痛ましい現実
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
るうるう
5
疲れた・・・のは、それだけ共感したからか。家庭内虐待の場合、加害者ではなく被害者の方が異物となり、軽んじられる経過がよくわかる。家庭内虐待を可能にするのは、機能不全な家庭環境だ。家族が変わらないかぎり、何年たっても機能不全なままだ。大人になった虐待児が告発しても、否定されるのはそのためだ。 2012/11/10
tellme0112
3
一気に読む。いろいろと思い出す。回復について考える。自分は、回復したのだろうかしたと思う。2016/05/17
りんふぁ
1
筆者の想いが溢れ出て、吐き出してる箇所は読んでいて辛い。そのとき、呼ばれた名前でさえ、記憶を呼び戻してしまうのか。改名が必要な訳がわかった。2015/09/11