内容説明
玄界灘沿岸に流れ着く様々な寄り物、漂着に関わる民俗・歴史、さらに調査・収集・研究の方法まで、219項目を収録した事典。索引付き。
目次
流れ着くもの(アオイガイ;アカクミ・アカトリ;アシカ科;アダン ほか)
揺り揚がるもの(陰陽石;岡垣浜の陶磁器;鯨骨;航空機の残骸 ほか)
海と漂着の民俗・歴史(アワビ玉;安政五年の枡;異人の漂着;今川遺跡の発見 ほか)
各地でのフィールドワーク(秋田・能代海岸での漂着物;石垣島の漂着物;遠州灘海岸の漂着生物;五島・富江島で採集された貝 ほか)
採集・調査・研究(海岸からマンモスが;海漂器;海流瓶;韓国製品の漂着 ほか)
漂着と環境(海岸の無法者たち;旧ソ連の核廃棄物;ゴミ海岸の清掃;ゴム風船の末路 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫
10
図書館本。著者が長年かけて集めてきた漂着物や、漂着物にかかわる歴史や民話など、色々まとめられたまさしく漂着物の事典。著者が住んでいる宗像郡の海岸が中心。貝殻や魚や海草、流木やヤシの実などの木の実や種子、浮子や舟の道具、骨に割れた陶器やガラスの欠片などなど本当にさまざまなものが流れ着いている。プラスチック容器やガラス瓶など見る人によってはただのゴミでも、見方を変えると技術の進化が見て取れたりもする(でもまぁゴミなんだけど)2018/08/16
abaoaquagga
1
寄せては返す波のように、博物誌とエッセイのあわいを往き来しながら書かれた、漂着物にまつわる219のあれこれ。貝や果実、瓶などが漂着するのは読む前から想像がつくものの、実際にはマンボウやサメ、仏像に木馬といった変わり種も流れつくのだそうで。奇特な蒐集者たちを惹き付けてやまない浪漫、その一端がうかがえる。頻繁に挿入される、詩句や民話伝承からの引用、そして石井氏個人の思い出話が、ほぼすべての項目に添付された写真とあわさってなんとも日本的な郷愁を誘う。カラー印刷でないのだけが惜しまれる。2023/09/03
はにゅ
1
漂着物に関する基本的な知識が身につきます。海岸を散歩するのが趣味の方、ちょっとこの本を読むだけで、漂着物を見るのが楽しくなっちゃいますよ!2007/03/09
takao
0
異界からの贈り物2016/11/24
ともゑ
0
著者がこれまで主に福岡市東部〜宗像市辺りの海辺を歩いて収集した品々のとそれにまつわるエピソードの紹介。植物の種などの自然物や漁具などの人工物、あらゆるものが流れ着いて来る。中韓や南太平洋など外国からはるばるやって来た品々も多い。日本古来からの漂着物についての伝承や風習など民俗学的な話とも繋がるし、東アジアの情勢を垣間見たり世界の海流を考察してみたり。漂着物を見る目が変わるかも。2015/01/17