内容説明
ホラー、カルト、女の子映画、ドキュメンタリーetc.本当にリアルな身体がいまスクリーンにあふれはじめた。“サブカル批評”の第一人者、阿部嘉昭のナビゲートで必見・発見・要再見作品をDVD情報もまじえて紹介。表通り、裏通り、いろいろ行きます、最新日本映画ガイド。
目次
2001(散乱という方法論―2000年度日本映画ベスト+選評;アメリカは空白だ―北野武『BROTHER』 ほか)
2002(日本映画星取2002年冬;水の累乗の恐怖―中田秀夫『仄暗い水の底から』 ほか)
2003(日本映画星取2003年冬;薄闇のなかから俳優の眼が現れて…―山田洋次『たそがれ清兵衛』 ほか)
2004(日本映画星取2004年冬;ビザールと純愛―井口昇『恋する幼虫』 ほか)
2005(結局「三年殺し」だったなあ―『日本映画の21世紀がはじまる』あとがき)
著者等紹介
阿部嘉昭[アベカショウ]
1958年東京生まれ。批評家。立教大学、早稲田大学非常勤講師
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感想・レビュー
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踊る猫
22
阿部嘉昭のフットワークは軽い。主にマイナーな映画(この時点ではまだ無名だった瀬々敬久や豊田利晃といった映画監督の作品)を紹介しているが、その分析は全くと言っていいほど古びていない。強度を孕んでおり、今なお読むに値するものとして成立している。クレヴァーな文体は読者を選ぶかもしれないが、蓮實フリークとも一線を画したその佇まいはフォローに値するものがあると思う。ここまで理知的な(悪く言えば冷た過ぎる)分析を施す者として、右に出る者は他には加藤幹郎くらいではないか。AVにも造詣が深いことがピンク映画の論で出ている2018/10/12