内容説明
独自のシミュレータQCEngineを使ってJavaScriptで書かれたサンプルプログラムをブラウザ上で動かし、量子コンピュータでのプログラミングに必要な知識やスキルを学ぶことができます。量子コンピューティングの基礎とその可能性に関する直感的理解が容易になるよう、豊富な例と図を用いて説明します。前半では、単一キュビットに対する基本的な量子演算、多重キュビット演算、複合演算(量子プリミティブ)、基本的な量子アプリケーション、後半では、探索問題、画像処理、暗号問題、機械学習への応用について解説しており、本書だけで基礎から実践的な応用技術までを一気に習得できます。これから学習を始める技術者、研究者を中心に、新しい研究分野やビジネスで量子コンピュータを利用したいと考える方がプログラミングの「感覚」を養うのに役立つ、ユニークなガイドブックです。
目次
1部 QPUプログラミング(単一キュビット;多重キュビット;量子テレポーテーション)
2部 QPUプリミティブ(量子算術演算と量子論理演算;振幅増幅;QET:量子フーリエ変換;量子位相推定;データの量子表現)
3部 QPUアプリケーション(量子探索;量子スーパーサンプリング;ショアの素因数分解アルゴリズム;量子機械学習)
4部 将来の展望(最先端を行く:文献案内)
著者等紹介
ジョンストン,エリック・R.[ジョンストン,エリックR.] [Johnston,Eric R.]
量子計算シミュレータQCEngineの作成者であり、競技体操選手でもある。エンジニアとしては、EJは驚きと奇抜さを一番大切にしている。U.C.バークレーで電気工学とコンピュータサイエンスを学び、ブリストル大学量子フォトニクスセンターで量子工学の研究を行った。モーションキャプチャスタントパフォーマンスを行いながら、ビデオゲームや映画効果のソフトウェアエンジニアとして20年間Lucasfilmに勤務した
ハリガン,ニック[ハリガン,ニック] [Harrigan,Nic]
物理学者、プログラマ、科学コミュニケーター。インペリアルカレッジロンドンから量子計算、量子力学の基礎の博士号を取得している。量子コンピュータ内で情報をエンコードするための戦略を開発するとともに、量子力学の基礎に取り組む。量子物理学の基本的な意味に取り組む経験を通して、詳細に伝える技術と、そして必要があれば賢明に避ける技術を身につけた。科学コミュニケーションで10年以上の経験があり、複雑な物理学のトピックを一般の人に説明することを目的とした多数の公開講義、ワークショップ、教育リソースを開発
ジメノセゴビア,メルセデス[ジメノセゴビア,メルセデス] [Gimeno‐Segovia,Mercedes]
量子物理学者。次世代の量子技術の開発を主な目標とする。従来のコンピュータの内部動作に興味があり、量子物理学との統合を目指すことにした。フォトン量子アーキテクチャ互換性に関する研究と半導体産業による研究でインペリアルカレッジロンドンから博士号を取得している。PsiQuantum社の量子アーキテクチャのディレクターとして、汎用量子コンピュータの設計に取り組む
北野章[キタノアキラ]
計算シミュレーションと機械学習を用いた研究を行う計算科学者。博士(工学)
丸山耕司[マルヤマコウジ]
2004年英国・Imperial College London物理学科Ph.D.取得。2004年ベルギー・Universit´e Libre de Bruxelles理論物理学科研究員。2006年理化学研究所基盤研究所研究員。2011年大阪市立大学大学院理学研究科特任講師。2012年Wolfram Research Inc.、セールスエンジニア及びテクニカルコンサルタント。2012年大阪市立大学大学院理学研究科客員教授。早稲田大学先進理工学部、芝浦工業大学システム理工学部にて非常勤講師、理化学研究所客員研究員を兼務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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